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ネーミングを外注するには?選び方と比較ポイント|費用相場・外注先の選び方・商標登録の流れ【2026年最新】

会社名、商品名、サービス名、ブランド名、店名。ネーミングは、顧客が最初に触れる情報であり、覚えてもらえるか、検索してもらえるか、他社と区別してもらえるかを左右する重要な要素です。一度決めると長く使い続けるものだからこそ、思いつきで決めて後悔するケースは少なくありません。

一方で、社内で案を出し合っても似たような名前ばかりになる、決め手に欠ける、商標や既存サービスとの重複が心配といった理由から、ネーミングを外部の専門家に依頼する企業が増えています。ただ、「どこに、いくらで頼めばよいのか」「クラウドソーシングと専門会社は何が違うのか」「商標登録はどう進めるのか」と迷う担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ネーミングを外注するメリットと依頼できる業務、外注先のタイプ、選び方のポイント、費用相場と商標登録の費用、依頼の流れと注意点を順番に整理します。初めて外注する方でも、自社に合った依頼先を選び、長く使える名前を決められるようにまとめました。

確認したいポイント結論詳細
ネーミングを外注するメリットは?客観的で商標リスクの低い名前を効率よく決められる社内では出にくい発想の幅、コンセプトに基づく根拠ある提案、商標や検索性の事前確認、ロゴやタグラインとの一貫した設計まで任せられる。
ネーミングの外注先にはどんな種類がある?ブランディング会社・専門会社・代理店・フリーランス・クラウドソーシングの5タイプ戦略込みのブランディング会社、案の質と量に強い専門会社、販促と一体の広告代理店、柔軟なフリーランス、低コストで数を集めるクラウドソーシングがある。
外注先を選ぶポイントは?実績・提案の根拠・商標対応・デジタル視点で比較する同カテゴリの実績、コンセプト付きの提案か、提案数と修正条件、商標調査と弁理士連携、検索性やSNS・海外展開への配慮、料金と権利の6点を確認する。
ネーミング外注の費用相場は?コンペ1万〜数万円、専門会社15万〜20万円、ブランディング会社30万〜150万円フリーランスは数万〜30万円、広告代理店は30万〜100万円以上が目安。商標登録は特許庁費用と弁理士報酬を合わせて1区分10万〜20万円前後が別途かかる。
外注の流れと注意点は?目的整理から商標出願まで5ステップ、商標調査は必須目的・コンセプト・評価基準の整理、依頼先の選定、初回提案と絞り込み、商標・ドメインの確認、最終決定と出願の順に進める。出願直後の商標はデータベースへの反映までに時間差があり、検索で確認できない場合がある点に注意。

この記事でわかること

  • 良いネーミングの条件と、外注するメリット、依頼できる業務の範囲
  • ブランディング会社・専門会社・広告代理店・フリーランス・クラウドソーシングという外注先5タイプの違い
  • 失敗しない外注先の選び方6つのポイント
  • 依頼先別・依頼方式別の費用相場と、商標登録にかかる費用の内訳
  • 依頼の流れ、オリエンで伝えるべき情報、商標や表現に関する注意点と、新商品の認知獲得の支援事例

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目次

ネーミングを外注するメリットと依頼できる業務

ネーミングとは、会社、商品、サービス、ブランド、店舗などに名前を付けることです。単に響きの良い言葉を選ぶ作業ではなく、コンセプトやターゲットを踏まえ、覚えやすく、意味が伝わり、法的にも安全に使い続けられる名前を設計する仕事です。ここでは、良いネーミングの条件、外注するメリット、依頼できる業務を整理します。

良いネーミングの条件

良いネーミングには、いくつかの共通する条件があります。依頼先を選ぶ前に、自社の名前に何を求めるかを整理しておきましょう。

  • 覚えやすく、呼びやすい:短く、読み方に迷わず、口頭でも伝わる
  • 意味や価値が伝わる:商品の特徴、提供価値、世界観が名前から想像できる
  • 競合と区別できる:似た名前がなく、カテゴリの中で埋もれない
  • 法的に使える見込みがある:他社に登録されていないことに加え、類似商標の有無、指定商品・指定役務の範囲、識別力(他の商品・サービスと区別できるか)などを総合的に確認できている
  • デジタルで見つけやすい:検索したときに他の情報に埋もれず、ドメインやSNSアカウントが取得できる
  • 長く使える:流行や特定の商品に依存せず、事業の拡大や方向転換にも耐えられる
  • 他言語で問題がない:海外展開を見据える場合、他の言語で否定的な意味にならない

「覚えやすさ」と「意味の伝わりやすさ」は両立が難しく、商標や検索性まで考えると候補はさらに絞られます。この複数の条件を同時に満たす案を出せるかどうかが、社内で決めるか外注するかの分かれ目になります。

ネーミングを外注するメリット

ネーミングを外注することで、社内だけでは出にくいアイデアを得られるほか、ブランド全体を意識した名前を検討しやすくなります。主なメリットは以下の4つです。

社内にはない発想や客観的な視点を取り入れられる

社内公募や会議だけでネーミングを考えると、業界用語や自社視点の表現に偏る場合があります。外部の専門家に依頼することで、ターゲットや市場、競合などを客観的に分析したうえで、社内にはない切り口のネーミング案を検討できます。

根拠のあるネーミング案を提案してもらえる

専門会社やブランディング会社では、コンセプト設計や競合分析、ターゲット整理などを行ったうえでネーミングを検討します。名前だけでなく「なぜこの名前なのか」という意図や背景も含めて提案してもらえるため、社内で候補を比較・検討しやすくなります。

商標や検索性のリスクを減らせる

依頼先によっては、ネーミング案を提案する段階で商標の簡易調査や検索結果の確認などを行います。すでに使用されている名称や商標登録されている名称などを事前に確認することで、決定後の手戻りを減らしやすくなります。

ロゴやWebサイトなどとの一貫性を持たせられる

ネーミングとあわせてブランド設計を依頼すれば、ロゴやタグライン、Webサイト、パッケージなどのクリエイティブまで一貫した方向性で設計できます。名前・ビジュアル・メッセージを統一することで、ブランドのイメージを伝えやすくなります。

ネーミングの外注で依頼できる業務

依頼できる業務の範囲は、依頼先によって異なります。主な業務は次のとおりです。

支援内容内容
コンセプト設計商品・サービスの提供価値、ターゲット、世界観の言語化、ネーミングの方向性の設計
候補案の作成依頼先や契約条件に応じた数のネーミング候補(数十〜100案規模の場合もある)と、意味・由来の提示
絞り込み・追加提案社内評価をもとにした候補の絞り込み、方向性の調整・再提案
商標の簡易調査特許庁のデータベースを活用した同一・類似商標の確認。本格的な調査・出願は弁理士が担当
ドメイン・SNSアカウントの確認ドメインやSNSアカウント名の取得可否の確認
消費者調査ターゲットを対象とした候補名の印象・好意度などの調査
ロゴ・タグライン・ブランドガイドラインの制作決定したネーミングをもとにしたロゴ、タグライン、ブランドルールなどへの展開

ネーミング単体で依頼するのか、コンセプト設計やロゴまで含めて依頼するのかで、費用も依頼先も変わります。自社で決まっていること(コンセプト、ターゲット、展開計画)と、任せたいことを整理しておきましょう。

ネーミングの外注先5つのタイプ

ネーミングの外注先は、大きく5つのタイプに分けられます。求める品質、予算、依頼範囲、スピードによって最適な依頼先は変わるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。あわせて、商標の本格調査や出願を担う弁理士との連携も考慮する必要があります。

ブランディング会社(戦略とセットで依頼したい場合)

市場調査、競合分析、ターゲット設定、コンセプト設計を行ったうえで、ネーミングをブランド戦略の一部として提案する会社です。名前の背景にあるストーリーや理念まで含めて設計できるため、会社名や主力ブランドなど、長期にわたって使う重要な名前に向いています。

ネーミング単体で依頼できない会社もあり、ロゴやガイドライン、Webサイトまで含めると費用は大きくなります。新規事業の立ち上げやリブランディングで、名前だけでなく事業の方向性から整理したい企業に適した依頼先です。

ネーミング専門会社・プロダクション(質の高い案を効率的に集めたい場合)

ネーミングを専門に手がける会社です。独自のノウハウと発想法を持ち、20案前後のまとまった提案を、意味や由来の説明付きで受け取れるのが特徴です。商標の簡易調査をセットにしている会社も多く、ブランディング会社より費用を抑えられます。

「コンセプトは固まっているので、質の高い名前の案が欲しい」という企業に最も相性の良い依頼先です。ロゴやブランド設計まで必要な場合は、別の依頼先と組み合わせます。

広告代理店・マーケティング支援会社(販促や認知拡大と一体で進めたい場合)

広告代理店やマーケティング支援会社は、ネーミングを今後のプロモーションや広告展開と一体で設計します。名前を決めた後の認知拡大、SNSでの拡散、検索での見つけやすさまで見据えて提案できるのが強みです。

ネーミング単体の依頼は受け付けていない場合や、コンセプト設計やディレクションが含まれて総額が大きくなる場合があります。新商品の発売やサービスの立ち上げに合わせて、名前と販促を同時に進めたい企業に向いています。

フリーランスのコピーライター(費用と柔軟性のバランスを取りたい場合)

実績のあるコピーライターやネーミングを得意とするクリエイターに直接依頼する方法です。中間コストがかからず、要望に合わせて柔軟に対応してもらいやすいのが特徴で、著名なライターでなければ専門会社より費用を抑えられることもあります。

一方で、戦略設計や市場分析まで含めた支援は期待しにくく、依頼側でコンセプトやターゲットが整理されていないと、期待する提案が得られないことがあります。実績と得意領域を確認し、オリエンの情報をしっかり用意して依頼しましょう。

クラウドソーシング(低コストで多くの案を集めたい場合)

クラウドワークスやランサーズなどで、コンペ方式で案を募集する方法です。数万円の予算で数百案が集まることもあり、さまざまな切り口のアイデアを比較できるのが最大の特徴です。非公開で募集できるオプションを用意しているサービスもあります。

ただし、提案者の理解度や経験にはばらつきがあり、コンセプトから外れた案も多く含まれます。選定や商標確認は依頼側が行う必要があるため、案の良し悪しを判断できる担当者がいる場合や、案の幅を広げる目的で活用するのが現実的です。

弁理士・特許事務所(商標調査と出願を任せる場合)

ネーミングの候補が絞られたら、商標として登録できるかの本格調査と出願手続きは弁理士に依頼するのが一般的です。ブランディング会社や専門会社の中には、提携する弁理士と連携して商標出願まで一括で進められるところもあります。商標の確認を後回しにすると、決定後にやり直しになるリスクが高いため、どの依頼先を選ぶ場合も、商標調査の担当を最初に決めておきましょう。

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ネーミングの外注先を選ぶ6つのポイント

外注先のタイプを絞ったら、次は個別の会社やクリエイターを比較します。ここでは、選定時に確認したい6つのポイントを紹介します。「案の数」ではなく「根拠のある提案が得られるか」「決めた後に安全に使えるか」で選ぶことが失敗を防ぐ基本です。

1. 同じカテゴリでの実績と、提案の根拠

会社名、商品名、サービス名、店名など、ネーミングの対象によって求められる発想は異なります。自社と近いカテゴリや業種での実績があるか、過去の提案にコンセプトや由来の説明が付いているかを確認しましょう。

実績ページで「どんな課題に対して、なぜその名前を提案したのか」まで説明されている依頼先は、根拠のある提案が期待できます。名前だけが並んでいる実績は、判断材料として不十分です。

2. 提案数と提案の質、修正・追加提案の条件

提案数は多ければ良いわけではなく、増えるほど比較に時間がかかり、判断が難しくなります。基本の提案数、絞り込み後の追加提案の回数、方向性を変えたい場合の対応を事前に確認しましょう。

コンセプトを踏まえた案であれば、20案前後でも比較・検討できる場合があります。必要な提案数は、ネーミングの対象や社内の検討体制によって変わります。少数ずつ提案を受けながら意見を反映していく進め方に対応できる依頼先は、方向性のずれを早い段階で修正しやすくなります。

3. 商標調査への対応と弁理士との連携

提案前に簡易的な商標調査を行っているか、決定後の本格調査や出願を弁理士と連携して進められるかを確認します。「アイデアの提供のみで商標の可否は保証しない」という依頼先も多いため、その場合は自社で弁理士に依頼する前提でスケジュールと費用を組みましょう。

4. 検索・SNS・海外展開といったデジタルの視点

現在のネーミングでは、覚えやすさや響きに加えて、検索したときに見つかるか、ドメインやSNSアカウントを取得できるか、SNSでハッシュタグとして使いやすいかといった視点が欠かせません。一般名詞と同じ名前は、検索で他の情報に埋もれやすく、広告のクリック率や指名検索の獲得にも影響します。

海外展開を予定している場合は、他言語で否定的な意味にならないか、発音しやすいかの確認も必要です。デジタルマーケティングの知見を持つ依頼先であれば、これらを踏まえた提案が期待できます。検索での見つけやすさについては「【2026年最新】SEO会社の選び方と依頼前に知るべき注意点」も参考になります。

5. ロゴ・タグライン・ブランド設計との一貫性

名前が決まった後は、ロゴ、タグライン(キャッチコピー)、Webサイト、パッケージ、営業資料へと展開していきます。ネーミングと合わせてロゴやタグラインまで依頼できるか、別の依頼先に展開する場合にコンセプト資料を共有してもらえるかを確認しておくと、ブランドの一貫性を保ちやすくなります。

6. 料金体系と権利の取り決め

基本料金に含まれる提案数、追加提案の費用、商標調査の費用、ロゴ制作の費用が分かれて明示されているかを確認します。あわせて、採用した名前の権利が自社に帰属するか、不採用案の扱いはどうなるかも契約時に取り決めておきましょう。

具体的には、「採用案の権利移転と利用範囲」「商標出願を行う権限(どちらの名義で出願するか)」「不採用案の権利の扱い(依頼側・受託側のどちらに帰属するか、他社への再提案・再提供を認めるか)」「制作実績として公開してよいか(非公開契約の有無)」まで、契約書で具体的に取り決めておくと安心です。

フリーランスに依頼する場合は、2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」により、発注する企業側に取引条件を書面やメールで明示する義務や、納品を受けた日から原則60日以内に報酬を支払う義務があります(公正取引委員会 フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組)。マーケティング支援会社全般の見極め方は「Webマーケティング会社の選び方と費用相場|2026年版プロが教える判断基準」でも整理しています。

ネーミング外注の費用相場と商標登録の費用

ネーミングの外注費用は、数千円のクラウドソーシングから数百万円のブランディング会社まで、依頼先と依頼範囲によって大きな幅があります。ここでは、依頼先別の目安、依頼方式による違い、商標登録にかかる費用、費用を抑えるコツを整理します。

依頼先別の費用目安

依頼先ごとの一般的な費用の目安は次のとおりです。

依頼先費用相場特徴
ブランディング会社30万〜150万円程度コンセプト開発を含むネーミング支援。中心価格帯は50万〜100万円程度。ロゴ・ガイドライン・Webサイトまで含む場合は100万〜1,000万円以上
ネーミング専門会社15万〜20万円程度提案数は会社によって異なる(20案前後は一例)。追加提案の料金も会社ごとに設定、商標調査は別料金の場合あり
広告代理店・マーケティング支援会社30万〜100万円以上コンセプト設計、販促設計、ディレクションなどを含む総合的な支援
フリーランス10万〜30万円程度実績のあるコピーライターへの依頼。著名なライターでは50万円以上の場合も
クラウドソーシング(コンペ方式)1万〜数万円程度〜低予算から募集可能。条件によっては多数のネーミング案の収集

※上記は、複数の公開料金データをもとにしたおおまかな目安です。特定の会社の料金設定が業界全体の標準相場というわけではありません。

ネーミング単体の費用は、提示案数、修正・再提案の回数、商標調査の範囲によって変わり、上記の表の金額も一例にすぎません。複数の依頼先で条件をそろえて見積もりを比較するのがおすすめです。会社名や主力ブランドなど、長期にわたって使う重要な名前ほど、根拠のある提案が得られる依頼先に投資する価値があります。

依頼方式による費用の違い

依頼方式は主に3つあります。提案方式は、会社やフリーランスに個別に依頼し、ヒアリング内容をもとに案を作成してもらう方法で、費用は数万〜数十万円が中心です。事業の背景やコンセプトを踏まえた案になりやすく、修正を重ねながら仕上げていきます。

コンペ方式は、条件を提示して複数の提案を募集し、その中から選ぶ方法で、クラウドソーシングに多く、1万〜数万円程度から実施できます。多様な案を比較しやすい反面、コンセプトとの一致度にばらつきがあり、選定の工数は依頼側にかかります。

ブランディング方式は、ネーミングとマーケティングやブランディングをまとめて依頼する方法で、制作会社やブランディング会社に依頼する際に用いられます。長期的な契約になりやすく、費用も大きくなりますが、名前から展開物までを一貫して設計できます。

商標登録にかかる費用

ネーミングが決まったら、その名前を安全に使い続け、他社に真似されないために商標登録を行います。費用は、特許庁に支払う印紙代と、弁理士に依頼する場合の報酬の合算で決まります。

特許庁の「商標出願のいろは」によると、特許庁に支払う出願料は3,400円に区分数×8,600円を加えた額、登録料は区分数×32,900円(10年分)です。1区分であれば出願料12,000円と登録料32,900円の合計44,900円が特許庁費用の最低額で、指定する商品・サービスの区分が増えるほど加算されます。

弁理士に調査から出願、登録までを依頼する場合は、報酬を含めて1区分あたり総額10万〜20万円前後が目安です。事前調査は簡易的なものなら数千円〜、競合リスクを細かく検証する調査では数万円〜10万円程度かかることもあります。審査には出願から数か月以上かかり、その間は「出願中」の状態が続くため、名前の決定と同時に出願を進めるのが一般的です。

なお、商標の確認は「簡易調査(J-PlatPatなどでの同一・類似商標の確認)」「弁理士による本格調査(類似性、指定商品・指定役務の範囲、識別力などの総合判断)」「出願・審査・登録」の3つのフェーズに分かれます。他社に登録されていないことだけでは使用・登録の可否は確定せず、簡易調査や出願手続きを行っても登録が保証されるわけではない点に注意しましょう。

費用を抑えるコツ

1つ目は、コンセプトとターゲットを自社で整理してから依頼することです。方向性が固まっていれば、専門会社やフリーランスへの依頼で十分な場合が多く、ブランディング会社の戦略設計費用を省けます。

2つ目は、提案数より質を重視することです。追加提案に費用をかけるより、オリエンの情報を充実させて初回提案の精度を上げる方が、結果的に効率的です。

3つ目は、開発の初期段階でネーミングを検討することです。ロゴやWebサイト、パッケージを作った後に名前を変えると、すべて修正が必要になります。事業の方向性が固まった段階で着手すれば、手戻りのコストを防げます。マーケティング全体の予算配分は「マーケティング費用の相場と予算の決め方|施策別の料金・費用対効果・抑え方を解説」も参考になります。

ネーミング外注の流れと失敗しないための注意点

ネーミングの外注は、一般的に次の5つのステップで進みます。専門会社への依頼で2〜4週間程度、ブランディング会社で1〜3か月程度が目安です。外注の成否は、最初のオリエン(依頼側からの情報共有)の質に大きく左右されるため、準備に時間をかけましょう。

1. 目的・コンセプト・評価基準を整理する(オリエン準備)

最初に、ネーミングの対象(会社名か商品名か)、商品やサービスの内容と特徴、ターゲット、競合、販売チャネル、今後のプロモーション計画を整理します。あわせて、「覚えやすさ」「意味の伝わりやすさ」「差別化」「将来の展開への対応」など、案を評価する基準をあらかじめ決めておくことが重要です。

ネーミングは数値で効果が見えにくいため、評価基準がないと「なんとなく良さそう」という主観で意見が割れ、選定に時間がかかります。避けたい言葉や表現(NGワード)、参考にしたい名前、社内で出た案があれば、それも共有しましょう。

オリエンの準備には、次の「依頼シート」と「候補案評価シート」を活用すると便利です。そのままコピーしてご活用ください。

【ネーミング依頼シート(オリエン用)】

項目記入内容の例
ネーミング対象商品名/サービス名/会社名のいずれか、対象の概要
ターゲット像年齢・属性、利用シーン、抱えている悩み
提供価値・コンセプト商品・サービスの特徴、競合との違い、伝えたい世界観
販売チャネル・使用予定国店舗・EC・営業など、国内のみか海外展開の予定があるか
NG表現・競合名称避けたい言葉や表現、競合の商品名・サービス名
参考イメージ好きな名前・参考にしたいブランド、社内で出た案
予算・納期予算の上限、提案希望日、名称決定・発表の予定日
最終決裁者の判断軸決裁者、重視する評価基準(覚えやすさ・差別化・将来性など)

【候補案評価シート(チェックリスト)】

評価項目確認するポイント評価(◎・〇・△)
覚えやすさ・呼びやすさ短く、読み方に迷わず、口頭でも伝わるか
意味・価値の伝わりやすさコンセプトや提供価値が想像できるか
競合との差別化似た名前がなく、カテゴリの中で埋もれないか
商標(簡易調査)同一・類似の登録商標が見当たらないか(最終判断は弁理士の本格調査で行う)
検索性・ドメイン・SNS検索で埋もれないか、ドメインやSNSアカウントを取得できるか
将来の展開事業拡大や商品ラインナップの追加に対応できるか
他言語での意味海外で否定的な意味や発音しにくさがないか

2. 依頼先を選定し、契約する

目的と予算に合ったタイプの依頼先を選び、提案数、追加提案の条件、商標調査の範囲、納期、費用、権利の帰属を確認して契約します。複数の依頼先に相談する場合は、同じオリエン資料で比較すると違いが分かりやすくなります。

3. 初回提案を受け、候補を絞り込む

依頼先から、意味や由来の説明が付いた候補案が提示されます。専門会社では20案前後、ブランディング会社では初回に50〜100案を出して段階的に絞る場合もあります。評価基準に沿って社内で採点し、10〜20案程度に絞ったうえで、方向性のフィードバックを返すと、次の提案の精度が上がります。

この段階で、絞り込んだ候補について商標の簡易調査を行い、明らかに使えない案を除外しておくと、後の手戻りを防げます。

4. 商標・ドメイン・SNSアカウントを確認し、最終候補を決める

3〜5案に絞った段階で、商標の本格調査、ドメインとSNSアカウントの取得可否、他言語での意味、検索結果での見え方を確認します。必要に応じて、ターゲットに候補名の印象を聞く消費者調査を行うこともあります。

商標は出願から登録まで数か月かかります。出願中の商標も、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」に反映された後は検索・確認できますが、出願直後はデータベースへの情報反映までに一定の時間差(データ反映ラグ)があるため、直近に出願された商標が検索結果で確認できない場合があります。

簡易検索で問題がなくても、最終決定前には弁理士による本格調査を行いましょう。

5. 最終決定・商標出願・展開物への反映

最終案を決定したら、速やかに商標を出願し、ロゴ、タグライン、Webサイト、パッケージ、営業資料などへ展開します。名前の由来やコンセプトを社内で共有しておくと、営業や広報が一貫したメッセージで説明できるようになります。

新しい名前を市場に浸透させるには、発表時のPRやSNSでの発信、広告による認知獲得が欠かせません。名前を決めた後の認知拡大については「PR会社の費用相場|契約形態別・業務別の料金目安と費用を抑えるコツを解説」や「SNSコンサルとは?費用相場や選び方を2026年最新情報で紹介」も参考にしてください。

失敗しないための注意点

ネーミングの外注で起こりがちな失敗を防ぐために、次の点に注意しましょう。

注意点内容
商標の確認を後回しにしない決定前の商標確認による、他社商標の侵害やロゴ・資料の作り直しリスクの回避
一般名詞や流行語を避ける検索での埋没や商標登録の難しさ、流行による陳腐化を考慮した名称設計
特定の商品に紐づけすぎない事業拡大や方向転換、将来の商品ラインナップを想定した汎用性の確保
他言語・読み方を確認する海外での意味や発音、複数の読み方が生じないかなどの事前確認
社内公募だけで決めないコンセプトや商標の観点を補うための外部専門家との併用
権利関係を明確にする採用案の権利帰属、不採用案の扱い、他社への同一案提供可否などの契約上の明確化

名前は決めて終わりではなく、市場で覚えてもらい、検索され、指名されて初めて価値が生まれます。ネーミングの段階から、その後の認知獲得と展開まで見据えて依頼先を選びましょう。

新商品・新ブランドの認知獲得の支援事例

株式会社Epaceでは、新規事業や新商品の立ち上げに際し、戦略設計からSNS・広告・インフルエンサー施策を組み合わせた認知獲得までを支援しています。ここでは、新しい商品名を市場に覚えてもらい、購買につなげた2つの事例を紹介します。名前を決めた後にどう浸透させるかを考える際の参考にしてください。なお、いずれの事例もEpaceがネーミング自体を考案・開発した実績ではなく、名称決定後の認知獲得・SNSプロモーション・販促支援の実績です。

事例1:株式会社明治 様|新商品「TANPACT」の名前を浸透させるSNSプロモーションで、目標個数が1日目で完売

株式会社明治様の新商品「TANPACT」では、商品ブランドの認知拡大とトライアル獲得を目的に、TikTokのライブ配信を活用したSNSプロモーションを実施しました。Epaceは、96人のインフルエンサーのアサインと、合計136回に及ぶTikTok Live配信の企画・運営を担当しました。

配信者を「ミルク」「コーヒー」「アーモンド」の3部門に分け、自分の特技を活かした商品PR配信をトーナメント形式で行う企画を設計。総インプレッション約450万回、総コメント数43,200件、累計視聴者数490,824人を記録し、切り抜きのUGC投稿は480件、2日間の合計目標個数は1日目で完売しました。

コメント欄には「たんぱくと!」「タンパクトは覚えた!」といった商品名の認知を示す反応や、「スーパーで探してみる」「買いました」という購買につながる反応が多数見られました。新しい名前を、ユーザー自身の言葉で繰り返し呼んでもらう仕掛けが、認知の定着につながった事例です。

事例の詳細:新商品「TANPACT」の商品ブランド認知・トライアル獲得を目的としたSNSプロモーション(株式会社明治 様)

※本事例は名称決定後のブランド認知拡大・SNSプロモーション支援の実績です。

事例2:株式会社ROKI 様|新製品マスクの販促支援で「10人に1人が知っているマスク」に

マスクの製造・販売を行う株式会社ROKI様では、toC事業のノウハウがなく手探りでマスク販売事業を始めたため、数値を見ても結果の良し悪しを判断できないこと、マスク着用が任意になり需要が低下したことが課題でした。

Epaceは、Google・Yahoo!広告やSNS広告の運用、広告用クリエイティブの制作、LPO施策、ロイヤルカスタマーのデータ分析に加え、インフルエンサーのキャスティングとハッシュタグ選定、LINE公式アカウントの構築まで一貫して実施しました。

その結果、「#おすすめマスク」などのハッシュタグで上位を独占し、口コミを500件以上獲得。獲得広告のCPAを約30%改善し、アンケートでは「10人に1人が知っているマスク」になるまで認知率が向上しました。新製品の名前を、SNSの口コミと広告の両面から市場に浸透させた事例です。

事例の詳細:マスクの新製品の販促支援。インフルエンサー・広告を活用したデジタルプロモーション(株式会社ROKI 様)

※本事例は名称決定後のブランド認知拡大・SNSプロモーション支援の実績です。

まとめ

ネーミングは、覚えやすさや差別化、商標、検索性など複数の条件を考慮する必要があります。外注する際は、実績や提案力、商標調査への対応、料金、権利などを比較し、自社に合った依頼先を選びましょう。

失敗を防ぐには、目的やコンセプト、評価基準を明確にし、商標調査を行いながら候補を絞り込むことが重要です。

Epaceでは、累計700社以上のマーケティング支援実績をもとに、商品・サービスのネーミングを含むブランディングやクリエイティブ制作を支援しています。ロゴやWebサイト、広告クリエイティブと組み合わせた支援も可能です。

貴社の事業コンセプト・ターゲット・競合環境・ご予算をもとに、ネーミング開発からロゴ・クリエイティブ制作、認知獲得のプロモーションまで一貫したご提案をいたします。クリエイティブ制作支援の詳細をご覧いただくか、お問い合わせフォームからご相談ください。

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