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SNSは企業にとって欠かせない顧客接点になった一方で、たった1件の投稿が数時間で拡散し、企業の信用や売上に影響を及ぼす「炎上」のリスクも身近になりました。公式アカウントへのコメント、顧客や第三者による口コミ、従業員の私的な投稿など、火種となる情報はさまざまな場所に潜んでいます。
こうしたリスクに備えるために活用されているのが、SNS監視サービスです。自社に関する投稿を収集し、炎上につながる可能性のある投稿を早期に検知・通知することで(監視する時間帯や、自動・目視の仕組みはサービスやプランによって異なります)、被害が広がる前に対応できるようになります。一方で、「ツール型と有人監視はどう違うのか」「費用はどれくらいかかるのか」「自社にはどのサービスが合うのか」と迷う担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SNS監視サービスでできること、サービスのタイプと導入するメリット、選び方のポイント、費用相場、導入の流れと運用のポイントを順番に整理します。SNSのリスク対策を検討し始めた方が、自社に合ったサービスを判断できるようにまとめました。
まずは、この記事で確認できるポイントを表にまとめます。気になる項目からご覧ください。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
| SNS監視サービスで何ができる? | 炎上の火種を早期に検知し、対応まで支援する | 自社名や商品名に関する投稿、公式アカウントへのコメント、掲示板や口コミを収集し、リスク投稿を検知・通知。緊急時の初動対応やレポートも依頼できる。 |
| SNS監視サービスにはどんなタイプがある? | ツール型・有人監視型・ハイブリッド型の3タイプ | AIやシステムで自動検知するツール型、専門スタッフが目視で判断する有人型、ツールで抽出して人が判断するハイブリッド型がある。目的と予算で選ぶ。 |
| SNS監視サービスを選ぶポイントは? | 目的・監視範囲・検知速度・判定基準・緊急対応で比較 | リスク対策かマーケ活用か、対象媒体と時間帯、通知の速さ、監視基準のカスタマイズ、初動対応支援、レポート、料金体系の7点を確認する。 |
| SNS監視サービスの費用相場は? | ツール型は月5万〜15万円、有人型は月30万円〜 | ツール型は月額5万〜15万円、ハイブリッド型は月額20万〜50万円、有人監視型は月額30万円以上が目安。媒体数や監視時間帯、レポート内容で変動する。 |
| 導入の流れと運用のポイントは? | 目的整理から運用まで5ステップ、社内ルールと併用する | 目的と監視範囲の整理、サービス選定とトライアル、監視基準と連絡フローの設計、運用開始、ガイドラインや教育との併用の順に進める。 |
この記事でわかること
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目次
SNS監視サービスとは、X、Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSや、掲示板、口コミサイト、ニュースサイトのコメント欄などから、企業や商品に関する投稿を収集し、炎上や風評被害につながる投稿を検知・報告するサービスです。「投稿監視サービス」「ソーシャルメディアモニタリング」「風評監視サービス」とも呼ばれます。
ここでは、SNS監視の2つの目的、監視できる対象、依頼できる業務、そしてSNS監視が必要とされている背景を整理します。サービスを比較する前に「何のために、どこを監視したいのか」を明確にしておくことが、過不足のないサービス選びの出発点です。
SNS監視には、大きく2つの目的があります。1つ目は、リスク管理を目的とした「投稿監視」です。自社への誹謗中傷、不適切な表現、誤情報、従業員による不用意な投稿など、炎上につながる「火種」を早期に見つけ、拡散する前に対応することを目指します。
2つ目は、マーケティングを目的とした「ソーシャルリスニング」です。商品やサービスに対するユーザーの声を収集し、ポジティブ・ネガティブの傾向、要望や不満、競合との比較などを分析して、商品開発や販促施策の改善に活かします。
同じ「SNS監視」でも、目的によって必要な機能や体制は異なります。リスク対策を重視するなら検知スピードと判断の精度、マーケティング活用を重視するなら分析機能とレポートの質が重要になります。両方を兼ねるサービスもあるため、自社が優先したい目的を最初に整理しておきましょう。
監視の対象は、サービスやプランによって異なりますが、代表的なものは次のとおりです。
なお、非公開アカウントの投稿や、鍵付きグループ内のやり取りは、各SNSの仕様上、外部から取得できません。監視サービスがカバーできるのは公開されている情報に限られるため、従業員のリスクについてはガイドラインや教育とあわせて対策する必要があります。
また、「公開されている情報ならすべて取得できる」わけではない点にも注意が必要です。一般ユーザーの公開投稿は、各SNSのAPIや検索機能を通じて自動で収集するのが一般的ですが、取得できる範囲や頻度はSNSごとの仕様や契約条件によって異なり、画像・動画内の文字や音声などはキーワード検索で拾えない場合もあります。
一方、自社公式アカウントへのコメント・リプライの管理や、DM(ダイレクトメッセージ)の確認・対応は、自社アカウントの管理者権限を監視会社に付与することが前提となります。一般公開投稿の自動収集とは仕組みが異なるため、どこまでを監視対象に含めるかを事前に確認しましょう。
SNS監視サービスには、投稿の収集だけでなく、判断から対応、改善まで幅広い業務を依頼できます。主な業務は次のとおりです。
投稿の削除交渉や発信者情報の開示請求といった法的な対応は、一般的な監視サービスの業務範囲には含まれないことがほとんどです。「どこまで対応してくれるのか」だけでなく「何は対応範囲外なのか」を契約前に確認しておくことが大切です。
SNS監視の重要性が高まっている背景には、SNSの利用が生活に定着したことがあります。総務省の「令和7年通信利用動向調査」によると、インターネットの利用目的として「SNSの利用」を挙げた割合は82.3%と最も高く、13〜49歳の各年齢層でSNSが最も利用されるサービスとなっています。
一方で、SNS上のトラブルも増えています。総務省によると、同省が運営を委託する違法・有害情報相談センターに寄せられた令和6年度のインターネット上の誹謗中傷に関する相談件数は3,989件と、センター運営開始以来で過去最多となりました(総務大臣閣議後記者会見 令和8年4月7日)。また、2025年4月には、大規模なプラットフォーム事業者に削除対応の迅速化と運用状況の透明化を義務づける「情報流通プラットフォーム対処法」も施行されています。
投稿は一度拡散すると完全に消すことが難しく、企業側の対応が遅れるほど影響は大きくなります。火種の段階で把握し、誠実に対応できる体制を整えることが、企業のブランドを守るうえで欠かせなくなっています。
SNS監視サービスは、監視の方法によって「ツール型」「有人監視型」「ハイブリッド型」の3つに分けられます。それぞれの特徴と限界を知ることが、費用をかけすぎず、かつ見逃しを防ぐサービス選びの鍵です。ここでは、各タイプの特徴と、導入するメリット・注意点を整理します。
ただし、有人監視型のサービスでも、実際にはAIや抽出ツールを併用して人が判断する運用が一般的で、3つのタイプは厳密に分かれるものではありません。あくまで「人による確認の比重」の違いとして捉えてください。
AIやシステムが設定したキーワードをもとに、SNSやWeb上の投稿を自動で収集・分類するタイプです。大量の投稿を効率よく処理でき、投稿量の推移やポジティブ・ネガティブの比率をダッシュボードで確認できるため、広い範囲を継続的に、低コストで把握したい企業に向いています。
一方で、皮肉や伏せ字、ネットスラング、画像や動画を含む投稿など、文脈を踏まえた判断は苦手です。表面的な言葉だけでポジティブに分類してしまう誤判定や、登録したキーワード以外の投稿を拾えない見落としが起こることがあります。
専門のスタッフが投稿内容を目視で確認し、炎上や誹謗中傷のリスクが高いかどうかを判断するタイプです。文脈や感情の機微を読み取れるため、ツールでは見落としやすい兆候を拾いやすく、緊急時の判断と連絡が速いのが強みです。
24時間365日の体制に対応するサービスもありますが、対応時間帯はプランによって異なるため、契約前に確認が必要です。
費用は他のタイプより高くなる傾向があり、オペレーターの習熟度によって判断の品質にばらつきが出る可能性もあります。監視基準(判断ルール)を明文化し、共有できているサービスを選ぶことが重要です。
AIやシステムで投稿を一次的に抽出・分類し、リスクの可能性がある投稿だけを専門スタッフが二次確認するタイプです。ツールの処理能力と人の判断力を組み合わせることで、効率と精度を両立しやすいのが特徴です。
費用はツール型と有人型の中間で、監視対象の媒体数や時間帯、目視確認の頻度によって変動します。中堅企業から大手企業まで幅広く採用されており、「コストは抑えたいが、見逃しは避けたい」という企業に向いています。
SNS監視サービスを導入することで、炎上リスクへの早期対応だけでなく、担当者の負担軽減やマーケティングへのデータ活用も期待できます。主なメリットは以下の3つです。
SNS上の批判やクレームを早い段階で把握することで、大きく拡散する前に対応しやすくなります。問題となる投稿を早期に確認できれば、個別対応や正確な情報発信などを検討でき、炎上による影響を抑えることにつながります。
夜間や休日を含め、SNS上の大量の投稿を社内担当者だけで継続的に確認するのは大きな負担になります。SNS監視サービスを活用することで、担当者の確認作業を減らしながら、リスクのある投稿を効率的に把握できます。
SNS監視では、ネガティブな投稿だけでなく、商品・サービスに関するポジティブな口コミやUGC(ユーザー投稿)も把握できます。好意的な投稿をマーケティング施策に活用したり、ユーザーの意見から商品・サービス改善のヒントを見つけたりするなど、収集したデータを幅広く活用できます。
SNS監視サービスは万能ではありません。前述のとおり、非公開の投稿は取得できず、投稿の削除や法的対応は一般的に業務範囲外です。また、ツール型では誤検知やノイズ(自社と無関係な投稿)が多いと、確認する担当者の工数がかえって増えることがあります。
監視はあくまで「気づく」ための仕組みであり、気づいた後にどう動くかは自社の体制次第です。SNSガイドラインの策定、従業員教育、エスカレーションフローの整備とあわせて導入することで、初めて効果を発揮します。SNS運用全体の設計から相談したい場合は「SNSコンサルとは?費用相場や選び方を2026年最新情報で紹介」も参考にしてください。
SNS監視サービスは、監視方法、対象媒体、対応時間、サポート内容が会社によって大きく異なります。ここでは、自社に合ったサービスを見極めるための7つのポイントを紹介します。月額料金の安さだけで選ぶと、肝心の火種を見逃したり、緊急時に誰も動けなかったりするため、対応範囲まで含めて比較しましょう。
最初に確認したいのは、サービスの得意領域が自社の目的と合っているかです。炎上対策を重視するなら、検知スピード、有人による判断、緊急時の連絡体制が整ったサービスが適しています。ユーザーの声を分析して施策に活かしたいなら、感情分析や競合比較、レポート機能が充実したサービスが向いています。
「リスク対策」と「マーケティング活用」のどちらを優先するのか、両方必要なのかを整理したうえで比較すると、機能の過不足を防げます。
X、Instagram、TikTok、YouTube、Facebookなどの主要SNSに加え、掲示板、口コミサイト、ニュースサイトのコメント欄、Googleマップの口コミなど、どこまで監視できるかはサービスによって異なります。自社の顧客が主に使っている媒体、過去にトラブルが起きた媒体をカバーしているかを確認しましょう。
公式アカウントへのコメント監視と、一般ユーザーの投稿の監視(エゴサーチ)は、別のプランやオプションになっていることもあります。従業員の投稿まで対象にしたい場合は、その可否もあわせて確認が必要です。
炎上は夜間や休日に始まることも少なくありません。平日日中のみの監視か、24時間365日の監視か、リスク投稿を検知してから通知までどれくらいかかるかは、サービス選定で最も重要な確認項目の1つです。
通知方法も、メールだけなのか、チャットツールへの連携や電話連絡があるのかを確認しましょう。緊急度に応じて通知手段を変えられるサービスであれば、重要な火種を見逃しにくくなります。
何をリスク投稿とみなすかの基準は、業界や企業によって異なります。医療・金融のように表現規制が厳しい業種と、エンターテインメント業界では、許容されるコメントの範囲も違います。自社の業界や方針に合わせて監視基準を設計し、運用しながら調整できるかを確認しましょう。
多数の業界を支援している会社は、業界ごとの監視基準のひな形を持っていることが多く、導入初期の設計がスムーズです。冗談と本当に悪質な投稿を見極めて微調整できる体制があるかも、有人型・ハイブリッド型を選ぶ際のポイントです。
火種を検知した後、どう対応するかで結果は大きく変わります。炎上の兆候が見えた際に、対応方針の整理や公式コメントの作成支援、対応フローの助言まで受けられるかを確認しましょう。監視のみで対応支援がないサービスの場合は、社内で判断できる体制を別途整える必要があります。
サービスによっては、炎上後の対応費用を補償する保険が付帯しているものや、弁護士など専門家との連携窓口を持つものもあります。自社の危機管理体制に合わせて、必要な支援レベルを選びましょう。
定期レポートに、投稿量の推移、ポジティブ・ネガティブの比率、話題の傾向、要注意投稿の一覧と対応状況などが含まれているかを確認します。数値を並べるだけでなく、変動の要因や次に取るべきアクションまで記載されているレポートであれば、社内共有や施策改善に活かしやすくなります。
可能であれば、契約前にサンプルレポートを見せてもらい、自社の担当者が読み解ける内容かを確かめておきましょう。
初期費用、月額料金、監視対象の追加費用、レポート作成費、緊急対応の従量課金の有無など、年間の総コストを把握できる見積もりになっているかを確認します。最低契約期間や解約条件、監視キーワード数の上限も、事前に確認しておきたい項目です。
トライアル期間があるサービスでは、自社と無関係な投稿(ノイズ)がどの程度含まれるかを確認しておくと、導入後の確認工数を見積もりやすくなります。
SNS監視サービスの費用は、監視の方法と対応範囲によって大きく変わります。多くのサービスは個別見積もりのため単純に比較しにくいですが、タイプごとのおおまかな相場を知っておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
監視の方法ごとの月額費用の目安は次のとおりです。
| タイプ | 費用相場 | 特徴・向いている企業 |
| ツール型 | 月額5万〜15万円程度 | AIやシステムによる自動検知が中心。低コストでSNS上の状況を把握したい企業向け |
| ハイブリッド型 | 月額20万〜50万円程度 | ツールによる抽出と専門スタッフによる判断を組み合わせた方式。効率と精度を両立したい企業向け |
| 有人監視型 | 月額30万円以上 | 専門スタッフによる目視確認。24時間365日の監視や緊急対応を含む場合は追加費用 |
| スポット調査・診断 | 数万〜数十万円程度 | 特定期間の評判調査や炎上リスク診断などの単発対応 |
※上記は、監視対象キーワード〇件程度、主要SNS〇媒体、月間の目視確認〇件程度を想定したおおまかな目安です。
なお、価格差はタイプの名称で決まるわけではなく、主に「対応時間帯(24時間か平日日中のみか)」「目視確認の件数・頻度」「初動対応の助言などの支援範囲」によって決まります。そのため、ハイブリッド型が有人監視型より必ず安いとは限りません。見積もりでは、これらの条件をそろえて比較しましょう。
月額5万円程度から始められるサービスもあり、監視対象や時間帯を絞ればコストを抑えられます。一方、24時間の有人監視や複数媒体の横断監視、コンサルティングまで含めると月額数十万円規模になるケースが多くあります。
SNS監視サービスの料金は、監視する範囲や時間帯、サポート内容などによって変わります。見積もりに差が出る主な要因は、以下の5つです。
XやInstagramなどのSNSだけでなく、掲示板や口コミサイト、動画のコメント欄など、監視する媒体が増えるほど費用は高くなる傾向があります。
平日の日中のみ監視する場合と、夜間・休日を含めて24時間365日監視する場合では、必要な人員や体制が異なるため料金にも差が出ます。
収集する投稿数や、監視対象として登録するキーワード数によって料金が変わるサービスもあります。自社名や商品名など、監視したい対象が多いほど費用が上がる場合があります。
問題のある投稿を検知した際のメール・電話連絡や、定期レポートの内容によって料金が変わります。詳細な分析やレポーティングを依頼する場合は、追加費用が発生することもあります。
炎上時の対応方針の整理やSNSガイドラインの策定、従業員向け研修など、監視以外のコンサルティングまで依頼すると費用は高くなります。
SNS監視の費用は、月額で見ると高く感じられることがあります。しかし、炎上が起きた場合の問い合わせ対応や社内確認にかかる工数、売上やブランドイメージ、採用活動への影響まで含めて考えると、リスクを抑えるための体制整備費として位置づけられます。
また、ポジティブな投稿の発見やユーザーの声の収集は、広告や調査に置き換えれば相応の費用がかかる活動です。守りの効果だけでなく、マーケティングへの活用まで含めて投資価値を判断すると、導入の判断がしやすくなります。
1つ目は、優先度の高い媒体・キーワードから始めることです。拡散性の高いXと、顧客との接点が多い媒体に絞ってツール型で始め、リスク水準に応じて有人監視やハイブリッド型に広げていく進め方が現実的です。
2つ目は、監視時間帯を自社のリスクに合わせることです。BtoBかBtoCかといった事業区分だけで決めるのではなく、「想定されるリスクの性質(夜間に拡散しやすい内容か、即時対応が必要な事態が起こり得るか)」と、「通知を受けた際に社内で対応できる体制があるか(夜間に連絡を受けても判断・対応できるか)」を掛け合わせて判断しましょう。夜間に通知を受けても対応できる体制がない場合は、監視時間を延ばすだけでなく、初動対応まで依頼できるかもあわせて検討が必要です。
3つ目は、社内でできることを切り分けることです。公式アカウントへのコメント確認は運用担当者が行い、エゴサーチや掲示板の監視だけを外部に任せるといった分担で、費用を抑えられます。
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SNS監視サービスは、契約すれば自動的にリスクが減るわけではありません。監視で得た情報を、誰が、どのように判断し、動くのかまで設計しておくことで、初めて効果を発揮します。ここでは、導入の流れを5つのステップで解説し、運用のポイントも紹介します。
最初に、「炎上を防ぎたい」「従業員の投稿リスクに備えたい」「ユーザーの声を商品改善に活かしたい」など、導入の目的を整理します。あわせて、監視したい媒体、キーワード(社名、商品名、役員名、キャンペーン名など)、監視時間帯、想定するリスクの種類を洗い出します。
過去に起きたトラブルや、業界で問題になった事例を振り返ると、自社にとって優先度の高いリスクが見えてきます。
目的と監視範囲をもとに、複数のサービスから見積もりと提案を受けます。同じ条件で比較すると、料金と対応範囲の違いが分かりやすくなります。トライアルがある場合は、検知精度、ノイズの量、レポートの見やすさ、通知の速さを実際に確認しましょう。
導入が決まったら、どのような投稿をリスクとみなすかの「監視基準」と、検知した投稿を誰に、どの順番で、どの手段で伝えるかの「エスカレーションフロー」を設計します。緊急度を3段階程度に分け、それぞれの連絡先と対応期限を決めておくと、夜間や休日でも迷わず動けます。
緊急度別の社内対応フローの例は次のとおりです。
| 緊急度 | 投稿の例 | 対応・連絡先 |
| 低(軽微) | 軽微な不満、ネガティブな口コミ | カスタマーサポート・担当部署で内容を確認し、記録・保存する |
| 中 | 投稿数の急増、事実無根の誤情報の拡散 | 広報・リスク管理委員会へ即時共有し、公式見解の作成を検討する |
| 高(緊急) | 情報漏えい、法令違反、人身の安全に関わる投稿 | 経営層・法務・外部弁護士へ電話などで即時に緊急連絡する |
あわせて、「投稿から検知までの時間(収集ラグ)」と「検知から担当者へ通知するまでの時間(アラートラグ)」は分けて確認しましょう。たとえば、システムがリスクと判定してから10分以内に通知されるサービスでも、投稿がAPIなどで収集されるまでにタイムラグが生じる場合があります。「通知〇分以内」という表記がどの時点からの時間を指しているかを、契約前に確認することが大切です。
広報、カスタマーサポート、法務、経営層など、関係部署の役割分担もこの段階で明確にしておきましょう。
運用開始後は、定期レポートで投稿の傾向や要注意投稿を確認し、監視基準やキーワードを見直します。新商品の発売やキャンペーン、テレビ放映など、投稿が増えるタイミングを事前に共有しておくと、監視側も体制を整えやすくなります。
検知した投稿への対応内容と結果を記録しておくと、対応の判断基準が社内に蓄積され、同じような事案が起きた際に迅速に動けるようになります。
外部からは見えない従業員の投稿や、社内の情報管理に起因するリスクは、監視サービスだけでは防げません。SNSガイドラインの策定、定期的な研修、相談窓口の設置とあわせて運用することで、予防と早期発見の両面から体制を整えられます。
公式アカウントの運用ルール(投稿前の確認フロー、返信の基準、炎上時の対応手順)も整備しておきましょう。
SNS監視は、リスク対策として導入されることが多い一方、集まった情報はマーケティングの貴重な資産にもなります。ポジティブな口コミを公式アカウントで紹介する、よくある質問や不満をFAQや商品改善に反映する、キャンペーンの反応を次回の企画に活かすといった活用ができます。
「守り」の監視と「攻め」の運用を同じデータでつなげることで、SNSへの投資全体の効果を高められます。LINEなど顧客との1対1のコミュニケーション設計については「LINE運用代行の費用相場と選び方|2026年最新比較と成果を出すコツ」で解説しています。万が一の際の広報対応をPR会社に相談する場合の費用感は「PR会社の費用相場|契約形態別・業務別の料金目安と費用を抑えるコツを解説」も参考になります。
株式会社Epaceでは、SNSアカウントの運用代行、ユーザーの声を活かした企画設計、社内で運用を完結できるようにする内製化支援を行っています。ここでは、SNS上の反応を運用に活かした事例と、社内の運用体制を整えた事例を紹介します。なお、以下はSNSアカウント運用および内製化支援の関連実績であり、SNS監視・炎上対応の実績ではありません。

健康食品を扱うタマチャンショップを運営する有限会社九南サービス様では、毎月のフォロワーの増減が同程度で変化がなく、各施策が単発で一時的な効果しか出ていないことが課題でした。Epaceは、Instagram・YouTube・TikTokの3媒体で、運用コンセプト設計、ターゲット設定、KPI/KGI設計、効果測定レポートの策定、月次ミーティング、クリエイティブ制作・投稿・運用、インフルエンサー施策までを一貫して担当しています。
各SNSの特徴を活かして認知拡大からファン化までをカバーした結果、楽天市場内の公式ストアへの流入数が前年度比350%に増加し、Instagramのフォロワーは約1.8万人増加、TikTokの総いいね数は16.4万を超え、YouTubeの視聴維持率は15%から35%に改善しました。TikTokでは「TikTok経由で商品を購入した」というコメントも多数寄せられています。
コメントやリアクションといったユーザーの反応を継続的に確認し、企画やクリエイティブに反映する進め方は、SNS監視で得た情報をマーケティングに活かす考え方と共通しています。
事例の詳細:認知拡大からファン化まで。Instagram・YouTube・TikTokを活用したSNSプロモーションの実施(有限会社九南サービス 様)
※本事例はSNSアカウント運用および内製化支援の関連実績です。

株式会社リクルート様では、Instagramアカウントのエンゲージメント率が徐々に低下していること、クリエイティブの質を高めたいこと、フィードやリールの制作を自社で完結できるようにしたいことが課題でした。Epaceは、素材撮影、フィード・リールのクリエイティブ制作と投稿、効果測定レポートの策定、月次ミーティングに加え、クリエイティブ制作の内製化支援を実施しました。
リール動画によってこれまでリーチできていなかった層からの認知を獲得し、平均いいね数は200%増加、保存数は120%増加。高クオリティのクリエイティブを自社で制作できる体制も整いました。
外部に任せきりにするのではなく、社内に判断基準と運用ノウハウを蓄積する進め方は、SNS監視の運用体制を社内に定着させるうえでも参考になる考え方です。
事例の詳細:Instagramのエンゲージメント率向上・クリエイティブ制作の内製化支援(株式会社リクルート 様)
※本事例はSNSアカウント運用および内製化支援の関連実績です。
Epaceでは、こうしたSNS運用の知見をもとに、投稿前のクリエイティブ・コンテンツチェック体制の構築や、SNS運用ガイドラインの策定、炎上時に備えたエスカレーションフローの整備を支援しています。
SNS監視サービスは、自社に関する投稿を収集し、炎上や風評被害のリスクを早期に検知するサービスです。選ぶ際は、監視対象や検知スピード、対応範囲、料金などを比較し、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。
導入時は、監視基準や緊急時の対応フロー、社内ガイドラインもあわせて整備することで、より効果的なリスク対策につながります。
Epaceでは、累計700社以上のマーケティング支援実績をもとに、SNS監視や炎上リスク対策、運用体制の構築を支援しています。投稿内容のチェックやガイドライン整備などにも対応可能です。
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