
TikTokは、10代や20代の若い世代を中心に人気を集めており、15秒から60秒の動画を簡単に作成でき、多彩なコンテンツが投稿されてます。そのため、若年層へアプローチする手段として使用する企業が増えています。
しかし広告の出稿方法や、自社の商品やサービスを効果的にアピールするにはどう作ればいいのかわからない!という悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。この記事では、TikTok広告のやり方をわかりやすく、また自社業種に最適な広告について解説していきます。
目次
TikTok広告の種類と特徴
ここではTikTok広告の主な種類と特徴について解説します。
広告の種類は主に2種類あります。広告ごとに特徴が異なるため、特徴を理解して自社の目的やターゲットに合わせた広告を選びましょう。具体的には、下記の2つです。
- スタンダードメニュー
- TikTokオリジナルメニュー
片方だけでなく、目的に応じてTikTok広告を組み合わせることで、広告の効果を高めることができます。これらの広告の種類と特徴について紹介します。
スタンダードメニュー
スタンダードメニューは主にユーザーの認知と獲得を目的とした広告を指し、3種類の広告で構成されています。
- Top View
- 起動画面広告
- インフィード広告
それぞれについて解説していきます。
Top View
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/1154/
Top Viewは、1日1社限定の起動画面枠の広告です。アプリ起動時に最大60秒までの音声付きフルスクリーン動画を配信可能です。アプリ起動時からフルスクリーンで表示される広告にはユーザーにインパクトを与え、商品やサービスの認知を促します。
広告の特徴は、アプリ起動時に表示されてから3秒以上視聴し続けることで、自動的にフィードに切り替わることです。そのため、ユーザーに広告や宣伝色の強い印象を持たれづらいです。
加えていいねやコメント、シェアなどのアクションができるので、平均視聴時間も長い傾向にあります。既存の動画素材を広告に使えるため、配信までスケジュールに余裕がない方や、過去反響の大きかった動画を広告にしたい方におすすめです。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9590/
メイベリンニューヨークのリキッドファンデーション「Fit me」の認知を目的としてTopviewを実施しました。この動画では人気K-POPアイドル「ITZY」を起用し、他メディアよりも早くTikTokでの広告を行って、Topviewの価値を高めました。
結果として多くのコメントやいいねを獲得しています。具体的には1500万ビュー、5万4000いいね、750件のコメント、1400のシェアを記録。ユーザーはコメントで「リプレイして見たい」など広告への好感度が高いことが伺えます。また「気になってるけどどうなの?」「崩れにくくていいよ」と商品についてユーザー同士の会話も生まれていました。
起動画面広告
参照:TikTok広告の動画マーケティング、成功事例を見ながら詳しいコツを解説(Insta Lab)
起動画面広告はTop Viewと同様、1日1社限定の広告枠で、アプリ起動時に表示し、ユーザーにインパクトを与えられます。ただし音声は再生されないため、Top Viewほどのインパクトはありません。
広告の表示は3~5秒ほどで、GIF形式の画像やアニメーションなどに対応しており、静止画のみでも出稿できます。アプリ起動時に表示されるため、とにかく多くのユーザーに広告を表示して認知を拡大したいという方におすすめです。
起動画面広告では、フルスクリーン表示ができるため、ユーザーへの認知獲得に優れた広告といえます。
インフィード広告
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9093/
インフィード広告とは「おすすめ」フィードに掲載される広告のことです。インフィード広告には、さらに3種類の配信形態があります。
- Reach&Freaquency
- One day max
- Auction
それぞれ詳しく見ていきます。
配信形態
Reach&Frequency
リーチ(1回以上広告をみた人の数)やフリークエンシー(ユーザーが視聴する広告の回数)などを広告マネージャー上でシミュレーションしてから出稿できるインフィード広告です。なお広告マネージャーとは、TikTok広告を管理するためのプラットフォームのことです。
後述のAuctionとは異なり、事前に決めた広告予算か合計インプレッションを、指定した期間とフリークエンシーで配信します。そのため、長期にわたり商品やサービスの広告を行いたい方におすすめです。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9093/
ハーバー研究所のラベンダースワランは商品の認知拡大を目的にReach & Frequencyを実施しました。またセールスポイントを端的に伝えるために解説メインの紹介を行うクリエイターのやみちゃんを起用したクリエイティブを制作しています。
TikTokのブランドリフト調査では広告認知が+2.9%となりました。事前シミュレーション通りにリーチを確保し、フリークエンシーをコントロールした配信で認知の拡大に成功しました。
One day max
企業が指定した1日に対してユーザーに広告を表示します。
最大60秒のフルスクリーン動画を「おすすめ」フィードの4番目に掲載し、ほかの通常投稿と同じように並ぶため、宣伝色を抑えた広告の配信が可能です。そのため視聴回数とクリックの質は高まります。
また横型動画の配信もできるため、縦型の動画を用意できない方におすすめです。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/2551/
ドミノ・ピザの「ニューヨーカー1キロウルトラチーズ」は「こだわりの100%モッツァレラチーズを1キロ使用」というメッセージをユーザーに伝えるためにone day maxを実施しました。
インフルエンサーのミスターヤバタンさんを起用し、1キロのモッツァレラチーズを使用しているのが伝わる動画になっています。動画ではドミノ・ピザのクルーが出演し、いつものミスターヤバタンさんの世界観を発揮したコンテンツになっていました。
TikTokによれば、動画を最後まで試聴した完全視聴率は目標に対して236%、エンゲージメント率は目標に対して489%を達成しました。また「ヤバタンピザをください」と言って来店する人もおり、多くの反響を呼びました。
Auction
ランダムに「おすすめ」フィード上に配信される運用型のインフィード広告です。3種類の入札方式があります。
- インプレッション課金(広告が1000回表示されると費用が発生)
- クリック課金(広告がクリックされると費用が発生)
- 再生課金(動画が一定時間再生されると費用が発生)
入札制が採用されているため、表示したタイミングでか金額が確定します。
少額から出稿できる広告で広告主のメールアドレス、電話番号、住所、サイトのURL,
決済情報を入力すればすぐに始められます。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/4368/
DIESELが原宿のセレクトショップGR8とのコラボを日本限定で行うプロジェクトを実施しました。そのプロジェクトの認知拡大と購買に繋がりにくい若年層を将来的な購買層として捉え、TikTokを通して認知度・好意度向上を目的にAucitonを実施しました。
縦型全画面の個性的でインパクトのある動画と楽曲でブランドの世界観を表現したクリエイティブとなっています。。TikTokで人気の高いファッションがテーマで他の投稿との親和性が高く、違和感の無いクリエイティブになっていました。
TikTokのブランドリフト調査によれば、ブランド認知、広告認知、好意度、購買意向の項目で高い数値を出しました。その中でも購買意向の数値は過去のインフィード広告と比較して+300%以上となりました。
配信手法
広告の配信手法には二通りあります。
- 通常入稿
- Spark ads
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/7900/
それぞれを解説していきます。
通常入稿
TikTok広告の通常入稿は広告アカウントを作成し、クリエイティブを作成していきます。また広告の入稿に際しては入稿規定が設けられています。この入稿規定に従って入稿していきましょう。
例えば、配信のフォーマットとして、9:16、1:1、16:9のいずれかのパターンでの入稿が必要です。また広告につけるテキストは半角2~20文字など決まっています。
これらの入稿規定に従って広告を入稿しましょう。
Spark ads
Spark adsはすでに作成および投稿されているコンテンツに自社企業の名前や商品名を添付して広告にできます。
例えば、TikTokerが自社の商品やサービスを使用した動画を投稿したとします。Spark adsで自社がその方に承認を得ることで、商品名などを添付できるようになります。
こうすることで、その投稿をみたユーザーが詳細やダウンロードをタップすると自社のランディングページなどの任意のページに遷移します。
TikTokオリジナルメニュー
TikTokオリジナルメニューは主に自社商品やサービスの拡散、体験を目的とする際の広告です。
TikTok広告からさらに2種類の広告に分類できます。
- ハッシュタグチャレンジ
- ブランドエフェクト
それぞれについて解説していきます。
ハッシュタグチャレンジ
参照:https://kireimo.jp/tiktok21/?adcode=tiktok_pr
ハッシュタグチャレンジでは、お題となるハッシュタグを設定し、これに沿ったお手本動画を用意し配信することでスタートします。そしてユーザーがお手本動画をみて、真似して動画を撮影し、投稿することで拡散されていきます。
一般的な広告は、企業側からの一方通行のコンテンツ配信です。しかしハッシュタグチャレンジでは、ユーザーが投稿するため、一般的な広告よりも拡散されやすいという特徴があります。
また起動画面広告、インフィード広告、発見ページなどからハッシュタグチャレンジページに遷移できるため、TikTok内での露出が大きく、TikTokをジャックする形で行われます。
ハッシュタグはキャッチーで真似したくなるものが多いので、他のSNSでもシェアされやすい傾向にあります。認知、興味、購買まで幅広い効果を期待できる広告です。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/953/
日本マクドナルドはデジタルネイティブ世代に向け、ワンコインで買えるお得なセットメニューの認知獲得、来店促進を目的として「#ティロリチューン」でハッシュタグチャレンジを実施しました。
内容はマックフライポテトの揚がった時の音に合わせ、簡単なダンスをしながらセットメニューを食べる様子を撮影するシンプルな構成です。このチャレンジの特徴は誰もがマクドナルドを想起できるポテトの揚がる音源を使用しています。また複数のインフルエンサーを起用したお手本動画を投稿し、各インフルエサーからおすすめ動画として紹介してチャレンジの拡散を図りました。
結果としてチャレンジ期間は23日間と短いながらも「#ティロルチューン」のハッシュタグをつけたユーザーの投稿件数は5万件、総再生回数は1億回を記録しました。その後も再生回数は伸び、2億回再生を記録しています(2022年3月時点)。
ブランドエフェクト
参照:@lorealparis_jpn
(https://www.TikTok.com/@lorealparis_jpn)
自社商品やサービスを擬似的に体験できるものです。高度な画像認証技術で2D、3D、ARといった様々なクリエイティブコンテンツを作成可能です。ハッシュタグチャレンジと併用したキャンペーンを実施すれば、世界観をよりユーザーに伝えやすく効果的な広告配信が可能になります。ブランドエフェクトは商品の使用感を体験したり、新しい商品の活用シーンの提案を行えます。
例えば撮影者の見た目を変えて、商品の使用イメージを伝えるなどできます。視覚的な演出で、商品やサービスを体験しているかのような感覚を味わえます。
参照:https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9577/
ライオンの美白ハミガキ「Lighteen」は歯の美白ケアへの興味喚起、商品の認知向上を目的にブランドエフェクトを実施しました。
このエフェクトはユーザーの歯が白くなり、肌もきれいになれば自分の印象がどう変わるかを疑似体験できます。また「#顔の印象は歯で変わる」というハッシュタグとともにユーザー投稿を促し、インフルエンサーのエフェクトを使用したお手本動画を公開して拡散を図りました。
結果として、「#顔の印象は歯で変わる」のハッシュタグのユーザー投稿は2万6000件以上、総再生回数は2億4000万回を記録しました。このエフェクトを体験したユーザーは17万人以上で、投稿には「本当に変わるんだ!」「明るく白い歯は自信が持てる」などのコメントが寄せられていました。
TikTok広告の始め方
広告の出稿と聞くと、なんか難しそうですよね。でもTikTok広告の場合は、難しそうに見えて誰でも簡単に出稿できます。ここではTikTok広告の出稿までの流れを大きく分けて4つに分けて解説します。
- 広告アカウントの作成
- 詳細情報の入力
- 広告の開始
- 効果測定
- 自走の支援
これらについて詳しく解説していきます。
広告アカウントの作成
まず初めに広告出稿にはアカウントが必要です。基本的に広告を出稿する際は、このアカウントを通して行います。
広告アカウントは、TikTokの公式サイトで作成できます。メールアドレスとパスワードを入力し、登録を行います。
広告アカウントに必要なアカウント名や自社業界といった詳細を情報を記入します。最後に、費用の請求先や支払い方法、自社のURL(プロモーションリンク)を記入したらアカウント作成ができます。
詳細情報の入力
次に、初期設定として広告に関する詳細情報を入力していきます。広告を出稿する際に重要になってくる部分です。
まず、ピクセルタグの設定を行います。ピクセルタグとは、webサイト上でのユーザーの行動を記録するタグのことです。このピクセルタグを設定することでどのくらいのユーザーが広告から来たかがわかります。
次にイベントを設定します。イベントとは、ユーザーの特定行動を計測する機能のことです。カートに追加やお気に入りに追加といった具体的な行動を計測します。
最後にオーディエンスの設定をおこないます。オーディエンス設定では、自社の顧客データをアップロードして広告配信に利用します。年齢、地域、興味、通信環境など細かく設定することが可能です。
広告の開始
広告を開始するために、PRしたい目的を選択します。自社の目的に応じてプロモーション方法を決めます。具体的には以下の通りです。
・ブランド認知:リーチ(多くのユーザーに配信する)
・購買意欲:トラフィック(アプリやランディングページに誘導する)
:アプリインストール(アプリストアへ誘導する)
:動画視聴数(動画視聴を誘導する)
:リード生成(企業に対するもこみ顧客を獲得する)
・コンバージョン:コンバージョン(web上で特定の行動をさせるように誘導する)
:カタログ配信(カタログ販売用の広告を作成する)
次は予算を設定していきます。予算は無制限/日予算/通算予算のいずれかから選び、配信スケジュールも設定します。
最後に広告用のクリエイティブを作成します。4種類あるクリエイティブ作成用のツールから一つを選び、作成を行なっていきます。作成に関しては、プロフィール画像、表示される名前、テキスト、URLを記入すると広告動画が完成です。広告審査を受けて24時間以内に配信が開始されます。
効果測定
広告による効果を測定することで、次にどんな施策を行うと良いかが見えてきます。
TikTokの広告アカウントを使用することで、様々な分析をすることができます。具体的には、合計の再生時間、平均視聴時間、フォロワー数の増減、プロフィールの表示回数などの分析が可能です。
広告を配信したら、その広告がどんな成果につながったのかを分析することで、次の行動方針を決められます。
自走の支援
自走の支援(=インハウス化)とは、自社の商品・サービスを宣伝するインスタやインスタ広告の運用を外注するのでなく自社で運用していくことです。具体的には、広告枠のバイイングやレポーティング、クリエイティブの制作などの業務を内製化していくことを指します。
インスタコンサルには、こうした社内体制作りまでサポートしてくれることもあります。もし長期的な運用の検討をする場合は、運用代行よりも安く、自社でノウハウも貯まるため、一考の余地があるのではないでしょうか。
TikTok広告の費用
ここでは一般的な広告の掲載費用の相場を解説していきます。広告の種類によって費用は異なってきます。
・起動画面広告
課金方式:広告の表示回数に応じて課金(インプレッション型課金)
料金相場:500万円前後が相場(770円/1,000imp)
・インフィード広告
課金方式:期間契約型
料金相場:TopViewは625万円から
:Brand Premiumは42万円から
:OneDayMaxは300万円から
・ハッシュタグチャレンジ広告
課金方式:期間契約型
料金相場:ベーシックハッシュタグチャレンジは1,000万円
:スタンダードハッシュタグチャレンジは1,500万円
:ハッシュタグチャレンジプラスは1,700万円
:バトルハッシュタグチャレンジは2,000万円
上記のようにTikTok広告は、他のSNS広告に比べて出稿にかかる費用が高いです。
TikTok広告の成功事例3選
ここからはTikTok広告を活用した成功事例を紹介していきます。実際にどのような事例があるのかを見ていきましょう。
TikTok広告をこれから出稿しようとしている企業はこの事例を参考にしてみてください。
事例1.「#髪を咲かせよう」
ロレアルパリは世界最大の化粧品メーカーです。ロレアルパリでは、エクストラオーディナリーオイルのキャンペーンとして「#髪を咲かせよう」というハッシュタグチャレンジを実施しました。また、TikTok内で使えるオリジナルエフェクトも活用しました。アンバサダーとして欅坂46のメンバーが公式動画に出演しました。動画自体がすごくまとまっているという印象を受けました。
エフェクトを使って動画を撮影することで、ユーザーにヘアオイルを使う擬似体験をさせるという企画で、購買につなげやすくなっています。
事例2.「#ポッキー何本分体操」
江崎グリコは大阪府にある食品メーカーです。江崎グリコでは、11月11日をポッキー&プリッツの日と定めています。その日を盛り上げるために、期間限定でハッシュタグチャレンジである「#ポッキー何本分体操」を実施しました。このハッシュタグのついた動画が5日で2万3600本も公開されました。15秒の中でだんだんとハッピーになっていく動画はこちらもみていて楽しいという印象を受けました。
インフルエンサーを活用し、確実にされていました。動画内ではポッキーを使って動画を撮るため、商品の購買にもつながるような企画です。
事例3.「#食いっプリグランプリ」
丸亀製麺の「#食いっプリグランプリ」というハッシュタグチャレンジです。このチャレンジで丸亀製麺のTVCMの出演オーディションをTikTok内で開催しました。
具体的には、ユーザーはオリジナルのBGMにあわせて、うどんを食べる動画を投稿することで参加することができます。リズミカルなリズムで、聴いていてワクワクする印象を受けました。
また、動画内で丸亀製麺のうどんを食べることが参加条件のため、自社商品の購買にもつながっています。
TikTok集客のご相談はEpaceへ
いかがだったでしょうか。今回はTikTok広告についてその種類や費用相場、出稿のやり方を紹介しました。自社でTikTok広告を出稿するイメージがついたのではないでしょうか。
これから、TikTok広告を検討している方や、どうやって出稿すればいいかわからないと思っている方は、今回の広告出稿のやり方を参考にしてみてください。
Epaceは積み上げてきたTikTok集客のノウハウを使い、お客様にあったツールの選択から、投稿の作成、運用、細かい分析まで行い運用の支援を致します。
TikTok集客を効率的に成功させたい、運用に困っているなどありましたらぜひお問合せください。
