TikTokはもともとエンターテインメントを目的とした短い動画を共有するプラットフォームとしてスタートしましたが、その影響力はビジネスの世界にも拡大してきました。

特に採用活動の領域においては、多くの企業がTikTokの持つユニークな特性と広範なリーチを利用して驚くべき成功を収めています。

ですが、それらの企業はどのようにして採用活動を成功させているのでしょうか？

そこで本記事では、TikTokの採用活動の成功事例、TikTokで採用活動を行うメリット・デメリット、TikTokで採用活動を成功させるポイントなどについて解説します。

本記事を読めば、TikTokの採用活動のはじめ方がわかり、TikTokでの採用活動の成功に大きく近づけるので、ぜひ最後までお読みください。

そもそもTikTokとは？

TikTok（ティックトック）は、15～60秒の短い動画コンテンツを主体としたソーシャルメディアアプリで、全世界で数十億のダウンロード回数を記録しています。

TikTokは特に若い世代を中心に人気を集めており、ダンス、音楽、コメディ、ハウツーなどの幅広いジャンルのコンテンツが日々アップロードされています。

また、独特のアルゴリズムにより、ユーザーの好みに合わせた動画が自動的にフィードに表示されるため、新しいトレンドやバイラルコンテンツを発見するのが容易です。

この特性を活かし、ブランドやクリエイターがTikTokを使用してマーケティングやブランディング活動を行うケースも増えています。

TikTokは採用に効果がある

TikTokは主に若い世代を中心に非常に人気があり、彼らの日常の一部となっています。

TikTokの動画は短時間で、しかも魅力的にブランドや企業の魅力を伝えることができるため、求職者に直接アプローチしやすいのが特徴です。動画を通じて企業文化やオフィスの雰囲気をリアルに伝えられることで、求職者が企業や職場環境に対する興味や関心を持ちやすくなります。

また、バイラル効果（情報や商品などが口コミで徐々に広まっていくこと）を狙った動画が拡散されることで、短期間に多くの応募者を獲得するチャンスも生まれます。

これらの理由から、TikTokは採用に効果があると言えるのです。

TikTokで採用活動を行うメリット

続いては、TikTokで採用活動を行うメリットを紹介します。

メリット①：若年層の人材獲得が期待できる

TikTokで採用活動を行うメリットの1つ目は、若年層の人材獲得が期待できることです。

TikTokを利用するユーザーの多くは若年層であり、20代・30代が中心です。他のSNS媒体と比較しても若年層が利用する割合が高いという現状があります。

そのため、TikTokを採用目的で導入することで、これからの未来を担う若い人材を獲得できる可能性が高まるのです。

メリット②：採用コストを下げられる

TikTokで採用活動を行うメリットの2つ目は、採用コストを下げられることです。

基本的に、採用活動を行う場合はさまざまな名目でコストがかかります。具体的には、人件費や求人広告の掲載費、人材紹介会社に支払う費用などが挙げられます。

また、会社説明会を1度実施するだけでも、会場レンタル費がかかります。そのため、採用コストは企業を悩ませる1つの問題と言えるのです。

その点、TikTokは基本的に無料で利用できるアプリであり、動画を投稿する場合でも課金する必要はありません。

TikTok広告を打つ場合は費用がかかりますが、広告の種類はさまざまあり、比較的低コストで済む広告を選ぶことが可能です。したがって、従来の採用方法でかかるコストよりも大幅な低コストを実現できる可能性があります。

メリット③：社風や社員の人柄を表現しやすい

TikTokで採用活動を行うメリットの3つ目は、社風や社員の人柄を表現しやすいことです。

TikTokは動画を作成・投稿・視聴できるアプリです。そのため、社員が仕事に没頭する様子や社員同士で会話をする様子などを撮影してTikTokに投稿することで、どんな社風の企業でどんな人柄の社員がいるのかを大勢のユーザーに向けてアピールすることができます。

メリット④：短期間で成果を出せる

TikTokで採用活動を行うメリットの4つ目は、短時間で成果を出せることです。

TikTokに動画を投稿した場合でも、その動画がすぐに大勢のユーザーの目にとまるとは限りません。

しかし、ハッシュタグや音楽などを活用することで早い段階で「おすすめ」に載る可能性があります。おすすめに載れば多くのユーザーの目にとまるため、大胆な企業PRにつながります。

そのため、他のSNSよりも短期間で採用につなげることが可能なのです。

メリット⑤：採用目的以外にも活用できる

TikTokで採用活動を行うメリットの5つ目は、採用目的以外にも活用できることです。

TikTokを採用目的で利用する企業は非常に多いですが、TikTokの活用余地は人材採用だけではありません。なぜなら、TikTokにはさまざまなタイプの動画を投稿できるからです。

TikTokの自由度の高さを利用して企業の魅力を積極的に発信することで、受注件数の増加や売上アップにつなげることが可能になります。

TikTokで採用活動を行うデメリット

TikTokで採用活動を行うことには、デメリットも存在します。ここでは、TikTokで採用活動を行うデメリットを3つ紹介します。

デメリット①：炎上して企業イメージが低下する可能性がある

TikTokで採用活動を行うデメリットの1つ目は、炎上して企業イメージが低下する可能性があることです。

TikTokというアプリの自由度は高く、さまざまなジャンルの動画を投稿することができます。しかし、自由度が高いだけに、印象の悪い動画を安易に投稿してしまうリスクがあります。

仮に多くのユーザーが不適切と感じる動画を投稿した場合、企業のイメージは大幅にダウンしてしまいます。

そのため、動画を投稿する際はその動画の内容に問題がないかどうかを慎重に精査する必要があります。

デメリット②：TikTokにリソースを割きすぎて本業が疎かになる

TikTokで採用活動を行うデメリットの2つ目は、TikTokにリソースを割きすぎて本業が疎かになることです。

TikTokで採用活動を成功させるためには、さまざまな工夫が必要になります。大勢の人の興味を引くような動画の作成はもちろん、TikTokでおすすめに載るための工夫も必要になります。

しかし、TikTokでの採用活動に重きを置きすぎると、肝心の本業に手が回らなくなる恐れがあります。

本末転倒という事態になりかねないため、あくまでも計画的に採用活動を進める必要があるのです。

デメリット③：ポジティブな面を強調しすぎて採用のミスマッチが起こり得る

TikTokで採用活動を行うデメリットの3つ目は、ポジティブな面を強調しすぎて採用のミスマッチが起こり得ることです。

TikTokを利用して採用活動を進める場合、いかに働きやすい魅力的な企業であるかをPRすることが優先事項になります。

しかし、そうしたポジティブな面を強調しすぎると、いざ採用となった人材が「思っていた環境と違う」というネガティブな感情を抱く可能性があります。

短期離職につながる可能性もあることから、注意が必要になるのです。

TikTokで採用活動を成功させるポイント

続いては、TikTokで採用活動を行うポイントを5つ紹介します。

ポイント①：たくさんの社員を巻き込んで撮影する

TikTokで採用活動を成功させるポイントの1つ目は、たくさんの社員を巻き込んで撮影することです。

社員1人が仕事をする様子を撮影し、動画として投稿しても一定の効果は見込めるでしょう。しかし、1人だけが映る動画では企業の社風が伝わりにくいです。

その点、多くの社員が仕事をする様子や会話をする様子を撮影し、動画として投稿することでどんな企業なのかを広く多くのユーザーに伝えることが可能になります。

ポイント②：採用関連のハッシュタグをつける

TikTokで採用活動を成功させるポイントの2つ目は、採用関連のハッシュタグをつけることです。

ハッシュタグとは、「#（シャープ）」マークをつけた単語やフレーズのことです。ハッシュタグの後に特定のキーワードを付与することで、投稿がタグ化されます。タグ化されることで、指定したキーワードで検索をかけたユーザーの目にとまりやすくなります。

そのため、採用関連のハッシュタグをつけることで、職探しをしている多くのユーザーの目にとまりやすくなり、採用活動が成功する可能性が高まるのです。

ポイント③：トレンドを意識した動画構成にする

TikTokで採用活動を成功させるポイントの3つ目は、トレンドを意識した動画構成にすることです。

TikTokでは「トレンド」タブがあり、流行りの動画が紹介されます。トレンドのハッシュタグを使ったり、流行の音楽を取り入れたりすることでTikTokを利用する多くのユーザーに見てもらえる可能性が高まります。

また、ハッシュタグや音楽だけでなく、構成にも着目してトレンド要素を取り入れることで、より多くのユーザーに高い関心を持って見てもらえる可能性が高まるのです。

ポイント④：専任の運用担当者を決める

TikTokで採用活動を成功させるポイントの4つ目は、専任の運用担当者を決めることです。

TikTokを利用した採用活動がすぐに実を結ぶとは限りません。多くの人材を必要としている場合、目標達成まではある程度長い期間にわたるTikTokの運用が必要になる可能性があります。

そのため、専任の運用担当者を決め、集中的にTikTokの運用を任せることが採用活動の成功のポイントと言えるでしょう。

ポイント⑤：他のSNSも併用する

TikTokで採用活動を成功させるポイントの5つ目は、他のSNSも併用することです。

採用活動を進める上で、TikTokだけを利用する形でも一定の効果は見込めるでしょう。しかし、人気のSNSはTikTokだけではありません。

TwitterやInstagramなど、大勢の人々が利用するSNSは複数あります。

したがって、TikTokと併せて他のSNSも利用することで相乗効果が得られ、より積極的な採用活動を展開することができるのです。

TikTokで採用活動を成功させた企業事例9選

ここからは、TikTokで採用活動を成功させた企業の事例を紹介します。

事例①：株式会社リンクロノヴァ（ながの社長）

（出典：ながの社長）

株式会社リンクロノヴァは、2020年3月に宮城県仙台市で創業した企業です。建築・設備工事を手がける同企業の社長である長野雅樹こと「ながの社長」は、TikTokにおいて料理動画を積極的に投稿する中でフォロワー数を1万人にまで伸ばしました。

また、同社長の出演動画を配信する「ながの社長のハッピーチャンネル」はYouTubeで100万人以上の登録者数を誇っています。

複数のSNSを効果的に活用する中で、求人募集の投稿をアップした際には、「こんな社長のもとで働けるなんて幸せ」「まだ募集してますか？」といったコメントが殺到し、採用活動を成功させました。

事例②：三和交通株式会社

（出典：三和交通@TAXI会社）

三和交通株式会社は、全国で旅客運送事業を営む企業です。いわゆるタクシー会社である三和交通では、社員によるダンス動画を投稿することで多くのユーザーの関心を集めました。

サラリーマンおじさんが一生懸命にダンスをする様子が反響を呼び、「TikTok2021上半期トレンド」クリエーター部門にノミネートされています。

若年層の採用増加に向けたプロモーションの手段としてTikTokの利用を開始しただけあり、採用コストを抑えながら多くの人材を採用することに成功しています。

事例③：ライソン株式会社

（出典：ライソン株式会社）

ライソン株式会社は、家電・オーディオ・アウトドア製品を企画・販売している企業です。TikTokにおいて料理動画を積極的に投稿する中で多くのユーザーの関心を集めました。

大半の動画構成としては、社員が他の社員とコミュニケーションを取りながら料理を作るというものになっています。社内の雰囲気・環境がよくわかる動画になっていることも、採用活動の成功につながったポイントの1つです。

また、料理に使う道具に自社の商品を選ぶことで商品のPRにもつなげています。

事例④：株式会社BEEM

（出典：株式会社BEEM）

株式会社BEEMはマーケティング・映像制作をメインに行う企業であり、TikTok運用・動画広告・動画制作スクールの提供が主な事業内容となっています。

TikTokでは多くの社員を巻き込んで流行りの動画を投稿するというパターンが多く、トレンド要素をしっかりと盛り込んでいます。

ユーモア溢れる動画が多くのユーザーの関心を集め、採用実績にもつながっています。

事例⑤：大京警備保障株式会社

（出典：大京警備保障/Daikyo Security）

大京警備保障株式会社は、列車見張・交通誘導警備等の警備業を展開する企業です。TikTokでは、社長や部長といった重要な役職に就く人々がユーモア溢れる動画を投稿しています。

「こんな面白い上司がいたらいいな」と思わせる動画を多く投稿しており、多くのユーザーの関心を集めています。

直接求人募集の動画を投稿するケースもあり、そうした積極的な採用活動が実績につながっています。

事例⑥：焼鳥どん（焼鳥どん日垣兄弟）

（出典：焼鳥どん日垣兄弟）

焼鳥どんは炭火焼き串・鳥料理・煮込みを提供する飲食店を運営する企業であり、都内で3店舗を展開しています。

TikTokではいわゆる飲食店あるあるの動画を投稿する中で人気を集め、フォロワー数は14万人を超えています。

最後は笑いにつなげる動画のクオリティは非常に高く、売上アップや採用人数のアップにつながっています。

事例⑦：三洋商事株式会社（社長とゆかいな仲間たち）

（出典：社長とゆかいな仲間たち）

三洋商事株式会社は、リサイクル・産業廃棄物の収集運搬及び処理を行う企業です。TikTokでは社員の日常をイメージした動画を積極的に投稿しており、ユーモアを取り入れたものも非常に多いです。

社長が社員を巻き込んで楽しい日常を送るという構成の動画も多く、理想の上司像をイメージしやすいものになっています。

事例⑧：トゥモローゲート株式会社（ブラックな社長　西崎康平）

（出典：ブラックな社長 西崎康平）

トゥモローゲート株式会社は、企業ブランディングやデザインを行う企業です。TikTokでは、社長自らがさまざまなノウハウを語る動画を投稿することで着実にフォロワー数を伸ばしています。

ノウハウの中身はいろいろあり、就活対策やタスク管理のコツなど、ほかにも多くあります。

多くの人が抱える仕事に対する疑問・悩みを解決する動画になっていることも、フォロワー数が伸びた大きな理由と言えるでしょう。

事例⑨：三陽工業株式会社

（出典：三陽工業株式会社【公式】おじさんTikTok）

三陽工業株式会社は、製造業と製造派遣事業をメインに行う企業です。TikTokでは、中高年の社員2人が謎解きやクイズにチャレンジする動画を投稿しています。

重要なポストに就く社員がさまざまな謎解きやクイズにチャレンジする様子を投稿することで、親しみやすさを上手くアピールしています。

また、「こんな会社で働いてみたい」と思わせるようなユーモア溢れる動画を積極的に投稿していることも、採用人数のアップにつながった大きなポイントと言えるでしょう。

TikTokの採用に関するよくある質問

質問①：直接的な求人募集の動画を投稿しても大丈夫ですか？

TikTokで直接的な求人募集の動画ばかりを流してしまうと、かえってユーザーの興味関心を集めにくくなってしまいます。

そのため、求人募集を前面に出した動画ではなく、社内の様子や働く環境がよくわかる動画を投稿したほうが採用実績につながりやすいです。

質問②：動画を投稿すればすぐに採用につながりますか？

TikTokに動画を投稿しても、すぐに多くのユーザーに認知されるとは限りません。バズる動画でなければ、認知まで相当な時間がかかる可能性があります。

また、仮にトレンド要素を取り入れた動画だとしても、1本だけでは採用実績につながりにくいです。

多くのユーザーに企業のことを知ってもらい、エントリーにつなげるためには定期的な動画投稿を続けていく必要があります。

質問③：TikTok広告のほうが効率的に採用できませんか？

TikTok広告を利用すれば短期間の間に多くのユーザーの目にとまることになりますが、場合によっては高額な費用がかかります。

具体的な費用としては、最低でも50万円以上は考えておくべきです。

また、広告は出稿を止めるとインプレッションが0になる（誰にも見てもらえなくなる）のに対して、TikTokアカウントの運用は長期的資産になるため、総合的に広告よりも効果が出る可能性が高いのです。

まとめ：TikTokでの採用活動を成功させよう

今回はTikTokで採用活動を行うポイントをご紹介しました。

TikTokでの採用に興味がある方は、本記事を参考にして、ぜひTikTokでの採用に挑戦してみてください。

また、Epaceは過去200社以上のSNSマーケティング支援で積み上げてきたTikTok運用のノウハウを活かし、投稿の作成、運用、内製化支援、詳細な結果分析までの総合提案を得意としておりお客様のご要望に合わせて柔軟に運用のご支援をいたします。

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