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BtoBブランディングとは?2026年最新の手法・成功事例と進め方

「自社の製品やサービスには自信があるのに、なかなか新規取引先が増えない」「競合との違いを説明しても、結局は価格で比較されてしまう」――BtoB企業のマーケティング担当者や経営者であれば、一度はこうした場面に直面したことがあるのではないでしょうか。

BtoB市場では、製品やサービスの機能が似通ってくるコモディティ化が進んでおり、スペックや価格だけでは差別化が難しくなっています。そこで注目されているのがBtoBブランディングです。企業としてのブランド価値を高めることで、価格競争に巻き込まれず、指名で選ばれる存在になれます。

この記事では、BtoBブランディングの定義から具体的な進め方、成功事例、さらにはROI(投資対効果)を測定するためのKPI設定まで、実務で使える知識を体系的にまとめました。社内でブランディング施策を推進するための判断材料として、ぜひ最後までお読みください。

確認したいポイント結論詳細
BtoBブランディングとは何か?ステークホルダーに自社への「期待感情」を形成する取り組みですBtoCとの違いを含めて本文で説明しています
なぜBtoB企業にブランディングが必要なのか?コモディティ化・人材獲得競争・意思決定の複雑化に対応するためです背景にある3つの市場変化を紹介しています
どのような効果が得られるのか?価格競争の回避、採用力の強化、営業効率の向上など9つの効果があります定量的な効果指標とあわせて紹介しています
具体的にどう進めればよいのか?目的設定からKPI測定まで6ステップで実行できます各ステップの具体的なアクションを示しています
成功している企業はどこか?Sansan、freee、TOTOなど業種を問わず成功事例があります各社の施策内容と成果を紹介しています
外部パートナーの選び方は?戦略から実行まで一貫支援できるかどうかが判断基準です選定時に確認すべき5つのチェックポイントを掲載しています
<本記事から分かるポイント>
・BtoBブランディングの定義とBtoCとの本質的な違いの理解
・BtoB企業がブランディングに取り組むべき3つの背景と9つの効果の把握
・4種類のBtoBブランディング(採用・インナー・アウター・IR)の使い分け
・目的設定からKPI測定まで6ステップの具体的な進め方
・ROI測定に使えるKPIフレームワークと効果検証の方法
・外部パートナーを選ぶ際の5つのチェックポイント

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目次

BtoBブランディングとは?定義とBtoCとの違い

BtoBブランディングの定義

BtoBブランディングとは、取引先企業・求職者・投資家・従業員といった複数のステークホルダーに対して、自社への肯定的な「期待感情」を計画的に形成する取り組みです。

ここで重要なのは、ブランディングの対象が「商品」ではなく「企業そのもの」であるという点です。BtoB取引では、1つの商品だけでなく継続的なサービス提供やサポート体制が評価されるため、企業としての総合的な信頼感が購買判断を左右します。

たとえば、同じ機能を持つクラウドサービスが2つあった場合、「この会社なら導入後のサポートも安心だ」と感じてもらえる企業が選ばれます。この「安心だ」という感情こそが、ブランディングによって形成されるものです。

BtoCブランディングとの3つの違い

BtoBブランディングとBtoCブランディングには、大きく3つの違いがあります。

比較項目BtoBブランディングBtoCブランディング
意思決定者複数人(担当者・上長・経営層など)基本的に1人(購入者本人)
検討期間数週間〜数か月数分〜数日
重視される要素信頼性・実績・サポート体制デザイン・感情・ブランドイメージ

BtoB取引では、担当者が良いと思っても、上長や経営層の承認が必要になります。つまり、直接接点を持たない意思決定者にもブランドの価値が伝わる仕組みが求められるのです。

また、BtoB取引は金額が大きく検討期間も長いため、一度の広告接触ではなく、複数回の情報接触を通じて信頼を積み上げていく必要があります。

ブランディングとマーケティングの違い

「ブランディングとマーケティングは何が違うのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。

マーケティングは「顧客に製品を買ってもらうための活動」であり、短期的な売上に直結する施策(広告・SEO・展示会など)が中心です。一方、ブランディングは「顧客に自社を選び続けてもらうための土台づくり」であり、中長期的な信頼形成を目的としています。

両者は対立するものではなく、ブランディングがマーケティングの効果を底上げする関係にあります。ブランド認知度が高い企業は、同じ広告費をかけてもクリック率やコンバージョン率が高くなる傾向があるためです。

関連記事:成果に直結するBtoBマーケティング戦略:課題解決からKPI設定まで徹底解説

なぜ今、BtoB企業にブランディングが必要なのか?3つの背景

背景1:製品・サービスのコモディティ化

テクノロジーの進化により、BtoB市場では製品やサービスの機能差が縮まっています。SaaS領域では、似た機能を持つツールが数十種類存在することも珍しくありません。

こうした状況では、スペック比較だけで自社を選んでもらうことは困難です。「この企業と取引したい」という情緒的な価値が、最終的な意思決定を左右するようになっています。

背景2:人材獲得競争の激化

少子高齢化に伴い、優秀な人材の獲得競争は年々厳しくなっています。特にBtoB企業は消費者向けの知名度が低いケースが多く、採用市場での認知が不足しがちです。

企業ブランドを確立することで、求職者に対して「この会社で働きたい」という動機を生み出せます。日経リサーチの調査によると、BtoB企業の約3割がブランディング施策を採用目的でも活用しているとされています。

背景3:購買プロセスのデジタル化

BtoB購買においても、意思決定者が営業担当と接触する前に、Web上で情報収集を完了するケースが増えてきました。米国の調査では、BtoB購買プロセスの約7割が営業接触前に完了しているとするデータもあるほどです。

つまり、Webサイトやコンテンツを通じたブランド体験が、商談の機会そのものを左右する時代になっているのです。営業担当が対面で説明する前に、企業としての印象が形成されていることを前提に、ブランド戦略を設計する必要があります。

BtoBブランディングの4つの種類

BtoBブランディングは、ターゲットによって4つの種類に分かれます。自社の課題に合わせて、どの種類から着手するかを判断することが重要です。

種類ターゲット主な目的代表的な施策
アウターブランディング取引先・見込み顧客新規顧客獲得・価格競争回避Webサイト刷新・コンテンツマーケティング・展示会
インナーブランディング自社の従業員企業文化の醸成・生産性向上ビジョン浸透・社内イベント・行動指針の策定
採用ブランディング求職者優秀な人材の獲得採用サイト・SNS発信・社員インタビュー
IRブランディング投資家・株主資金調達力の向上IR資料・決算説明会・統合報告書

アウターブランディング

取引先や見込み顧客に向けたブランディングです。多くの企業が最初に取り組む領域であり、Webサイトのリニューアルやコンテンツマーケティングが代表的な施策になります。

アウターブランディングで重要なのは、顧客が接触するすべてのタッチポイントで一貫したメッセージを発信することです。Webサイト、営業資料、メールマガジン、展示会ブースなど、それぞれのチャネルでバラバラな印象を与えてしまうと、ブランドの信頼性が損なわれます。

インナーブランディング

自社の従業員に向けたブランディングです。外向きの施策だけに注力しても、社員の行動がブランドの約束と矛盾していれば、顧客からの信頼は得られません。

インナーブランディングでは、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の再定義と浸透が中心になります。ただし、MVVを策定して終わりにするのではなく、評価制度や日常業務のなかに落とし込むことが大切です。

採用ブランディング

求職者に向けたブランディングです。BtoB企業は一般消費者への知名度が低いことが多いため、採用市場では特にブランド構築が重要になります。

社員インタビューや働く環境の紹介動画など、リアルな情報発信が効果的です。求職者が「この会社の雰囲気が自分に合いそうだ」と感じられるコンテンツを用意しましょう。

IRブランディング

投資家や株主に向けたブランディングであり、上場企業はもちろん、スタートアップが資金調達を行う際にも企業ブランドの信頼性が評価を左右するでしょう。

IR資料のデザインや統合報告書の内容を通じて、企業の成長性やガバナンス体制を効果的に伝えてください。

BtoBブランディングで得られる9つの効果

BtoBブランディングに取り組むことで、以下の9つの効果が期待できます。

効果1:価格競争からの脱却

ブランド力のある企業は、競合よりも高い価格設定でも選ばれるでしょう。これは、顧客が「この企業と取引する価値がある」と認識しているためです。ブランドプレミアムが発生すれば、利益率の改善にも直結します。

効果2:新規顧客の獲得コスト削減

ブランド認知度が高まると、インバウンドでの問い合わせが増加し、営業チームがゼロから信頼を築く負担が軽減されます。結果として、顧客獲得コスト(CAC)の削減につながるでしょう。

効果3:営業リードタイムの短縮

「名前を聞いたことがある」「信頼できそうだ」という事前の印象があれば、商談はスムーズに進むでしょう。特に、直接接点のない経営層の承認を得る際に、企業ブランドの認知度が大きな後押しになります。

効果4:採用力の強化

企業ブランドが確立されていると、求職者からの応募が増え、採用コストを抑えられます。さらに、企業理念に共感して入社する人材は離職率が低い傾向にあるため、長期的な人材定着にも貢献します。

効果5:従業員エンゲージメントの向上

自社のブランドに誇りを持てる従業員は、仕事への意欲が高まります。インナーブランディングの取り組みによって、社員一人ひとりがブランドの体現者として行動するようになれば、サービス品質の向上にもつながるでしょう。

効果6:マーケティング効果の最大化

ブランド認知度が高い企業は、広告のクリック率やメールの開封率が高くなります。同じマーケティング予算でも、ブランド力がある企業のほうが高いROIを実現できるのです。

効果7:意思決定スピードの向上

顧客側の担当者が社内稟議を通す際、「有名な企業だから安心だ」というブランドの信頼性が意思決定を後押しします。稟議書に企業名を書いた時点で上長が認知している状態を作れれば、承認プロセスが短縮されます。

効果8:パートナーシップの拡大

ブランド力のある企業は、業務提携や協業の提案を受けやすくなります。「あの企業と組んでいる」という事実自体が、双方のブランド価値を高める効果を持つためです。

効果9:市場ポジションの確立

継続的なブランディングにより、特定の領域で「第一想起」される存在になれます。たとえば「クラウド会計ならfreee」「名刺管理ならSansan」のように、カテゴリとブランドが結びつく状態を目指しましょう。

BtoBブランディングの効果を自社で実現したい方へ 9つの効果のうち、どれを優先すべきかは企業の課題によって異なります。現状の課題を整理するところから、無料でサポートいたします。

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BtoBブランディングの進め方:6つのステップ

ここからは、BtoBブランディングを実際に進めるための6つのステップを紹介します。

ステップ1:ブランディングの目的を明確にする

最初に「なぜブランディングに取り組むのか」を言語化します。目的が曖昧なまま進めると、施策がバラバラになり、成果も測定できません。

目的の例としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 価格競争から脱却し、利益率を改善したい
  • 採用市場での知名度を上げ、応募数を増やしたい
  • 新規事業の立ち上げにあたり、信頼性を確保したい
  • 既存顧客のロイヤルティを高め、LTVを向上させたい

目的を1つに絞る必要はありませんが、優先順位を明確にすることが重要です。すべてを同時に達成しようとすると、リソースが分散して中途半端な結果に終わるリスクがあります。

ステップ2:ターゲットペルソナを設定する

BtoB取引では、1つの企業のなかに複数の意思決定者が存在します。そのため、ペルソナは「企業単位」と「個人単位」の両方で設定する必要があります。

企業ペルソナの設定項目

項目設定内容の例
業種・業態IT・製造業・小売業など
従業員規模50〜300名
売上規模年商10億〜50億円
課題営業の属人化・新規開拓の停滞
意思決定プロセス担当者→部長→役員の3段階承認

個人ペルソナの設定項目

項目設定内容の例
役職マーケティング部門マネージャー
年齢35〜45歳
情報収集手段業界メディア・展示会・SNS
抱えている課題社内でブランディングの予算を確保できない
意思決定における役割施策提案者・社内調整役

ステップ3:ブランドコンセプトを策定する

ブランドコンセプトとは、「自社が顧客に対してどのような価値を提供するか」を一言で表現したものです。

ブランドコンセプトを策定する際は、以下の3つの要素を整理します。

  1. 自社の強み:競合にはない独自の技術・ノウハウ・実績
  2. 顧客のニーズ:ターゲットが抱えている課題や求めている価値
  3. 競合との違い:市場のなかで自社がどのポジションを取るか

これら3つの要素が重なる部分が、ブランドコンセプトの核になります。抽象的な表現(「お客様に寄り添う」「最高の品質を」など)ではなく、具体的で差別化された表現を目指しましょう。

ステップ4:情報発信のチャネルと施策を決める

ブランドコンセプトが決まったら、それをどのチャネルで、どのような形式で発信するかを計画します。

BtoBブランディングで有効な主なチャネルと施策を、以下の表にまとめました。

チャネル施策例期待される効果
Webサイトコーポレートサイトの刷新・事例ページの充実第一印象の形成・信頼性の訴求
コンテンツマーケティングブログ・ホワイトペーパー・動画専門性の訴求・SEO効果
SNSLinkedIn・X(旧Twitter)での情報発信認知拡大・業界内でのプレゼンス向上
展示会・セミナー業界イベントへの出展・自社セミナーの開催直接接触による信頼構築
PR・メディア露出プレスリリース・業界メディアへの寄稿第三者からの信頼性付与
営業資料提案書・会社案内のリブランディング商談時のブランド体験の統一

すべてのチャネルに同時に取り組む必要はありません。ステップ1で設定した目的とステップ2のペルソナに基づいて、優先度の高いチャネルから着手するのが現実的です。

ステップ5:社内への浸透(インナーブランディング)

外向きの施策を進めると同時に、社内への浸透も欠かせません。日経リサーチの調査では、BtoB企業のブランディング施策で「ターゲットに届かない」と回答した企業が約3割に上るとされていますが、その原因の一つが社内の理解不足です。

社内浸透のための具体的な取り組みには、以下のようなものがあります。

  • 全社集会やワークショップでブランドコンセプトを共有する
  • 評価制度にブランド行動指針を組み込む
  • 社内報やチャットツールでブランドに関する情報を定期的に発信する
  • 経営層が率先してブランドメッセージを体現する

特に重要なのは、経営者自身がブランディングに対して強い意志を持つことです。トップダウンのコミットメントがなければ、現場レベルでの浸透は進みません。

ステップ6:効果測定とKPIの設定

ブランディングは効果が見えにくいと言われがちですが、適切なKPIを設定すれば定量的な測定も可能でしょう。次のセクションで、具体的なKPIフレームワークを紹介します。

関連記事:企業ブランディングの戦略と進め方|2026年最新の手法と成功事例

BtoBブランディングのROI測定:KPIフレームワーク

BtoBブランディングの効果を「なんとなく良くなった気がする」で終わらせないために、測定可能なKPIの設定が欠かせません。ここでは、ブランディングの目的別にKPIを整理したフレームワークをご覧ください。

認知度に関するKPI

KPI測定方法目標設定の目安
ブランド純粋想起率定期的なアンケート調査業界内で上位3位以内
指名検索数Google Search Consoleでの自社名検索数前年比120%以上
メディア露出数プレスリリース掲載数・取材件数月間3件以上
SNSフォロワー数各SNSプラットフォームの数値四半期ごとに10%増

信頼性に関するKPI

KPI測定方法目標設定の目安
NPS(推奨度)顧客アンケートスコア+30以上
リピート率既存顧客の継続取引率85%以上
紹介率既存顧客からの紹介による新規獲得率全新規の15%以上

事業成果に関するKPI

KPI測定方法目標設定の目安
インバウンド問い合わせ数Webフォーム・電話の件数前年比150%以上
顧客獲得コスト(CAC)マーケティング費用÷新規顧客数前年比20%削減
営業リードタイム初回接触から成約までの日数前年比15%短縮
採用応募数求人への応募件数前年比130%以上

このフレームワークのすべてを同時に追う必要はないでしょう。ステップ1で設定した目的に合わせて、最も重要な3〜5個のKPIに絞って測定することをおすすめします。

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BtoBブランディングの成功事例5選

ここでは、BtoBブランディングで成果を上げている企業の事例を5つ紹介します。自社の状況に近い事例を参考に、施策のヒントを見つけてください。

事例1:Sansan(名刺管理→ビジネスインフラ)

Sansanは「名刺管理サービス」というカテゴリから、「ビジネスインフラ」というより大きなカテゴリへのブランド転換に成功しました。

テレビCMでは「それ、早く言ってよ〜」というキャッチフレーズで認知度を一気に高め、その後「出会いからイノベーションを生み出す」というブランドメッセージに転換しています。BtoB企業でありながらマス広告を活用し、意思決定に関わる経営層への認知拡大を図った点が特徴です。

事例2:freee(クラウド会計→スモールビジネスの基盤)

freeeは「クラウド会計ソフト」から出発し、「スモールビジネスを、世界の主役に。」というブランドビジョンのもと、会計・人事労務・販売管理など複数のサービスを展開しています。

ブランディングの特徴は、プロダクトの体験そのものをブランドの核にしている点です。直感的なUI/UXを一貫して追求することで、「freee=使いやすい業務ソフト」というブランドイメージを確立しました。

事例3:TOTO(技術ブランディング)

TOTOは、水回りの技術力をブランドの中心に据えた「技術ブランディング」の代表的な成功例です。「きれい除菌水」「セフィオンテクト」など、個別技術にブランド名をつけて訴求し、製品横断的にブランド価値を高めてきました。

BtoB領域では、設計事務所やゼネコンに対して技術的な優位性を訴求し、「TOTOの製品を指定してほしい」という指名買いの構造を作り出しました。

事例4:キーエンス(営業力×技術力のブランド)

キーエンスは、広告宣伝費をほとんどかけずに強力なBtoBブランドを構築しました。ブランド構築の源泉は、高い専門性を持つ営業担当者による顧客体験にあります。

顧客の課題を深く理解し、最適なソリューションを提案する営業スタイルが、「キーエンスに相談すれば必ず解決策が見つかる」というブランドイメージを形成しています。営業活動そのものがブランディングになっている稀有な例です。

事例5:ウイングアーク1st(コンテンツマーケティング×ブランド転換)

ウイングアーク1stは、帳票ソリューションの企業からデータ活用プラットフォーム企業へのブランド転換を進めています。

オウンドメディアでのコンテンツ発信や、データ活用に関するセミナー・イベントの開催を通じて、新しいブランドイメージの浸透を図っています。既存顧客との信頼関係を維持しながら、新しい市場でのポジショニングを確立する過程は、多くのBtoB企業にとって参考になるでしょう。

BtoBブランディングの注意点とよくある失敗

ブランディングに取り組む際には、いくつかの注意点があります。ここでは、よくある失敗パターンとその回避策を紹介します。

失敗1:ロゴやデザインの変更だけで満足してしまう

ブランディングを「ロゴの刷新」や「Webサイトのリニューアル」だけで完了したと考えてしまうケースは少なくありません。しかし、見た目の変更だけでは、顧客が感じるブランド体験は変わりません。

デザインはブランドの「表層」にすぎず、その根底にあるブランドコンセプトや顧客体験の設計が伴わなければ、投資に見合った効果は得られないでしょう。

失敗2:効果が出る前にやめてしまう

ブランディングは、広告のように即座に数値として成果が見えるものではありません。一般的に、ブランディングの効果が数値に表れるまでには6か月〜1年以上かかるとされています。

短期的な成果を求めすぎると、施策が定着する前に中止してしまうことになります。経営層が長期的な視点でコミットし、施策の継続を担保する体制を作ることが大切です。

失敗3:社内の理解が得られないまま進める

マーケティング部門だけでブランディングを推進しても、営業やカスタマーサポートなど顧客接点を持つ部門の協力がなければ、ブランドの一貫性は保てません。

日経リサーチの調査では、BtoB企業のブランディング施策で「調査結果が活用しきれなかった」(33.3%)、「課題に対し、正しい調査設計ができなかった」(27.6%)という回答が報告されています。社内にブランディングの知見が不足していることも、失敗の大きな要因です。

失敗4:ブランドメッセージと実態が乖離している

「顧客第一」を掲げながらカスタマーサポートの対応が遅い、「革新的」を謳いながら製品のアップデートが滞っているなど、ブランドメッセージと実態が矛盾していると、かえって顧客の不信感を招きます。

ブランドコンセプトを策定する際は、現時点で実現可能な約束をベースに設計し、段階的に理想に近づけていくアプローチが現実的です。

BtoBブランディングの外部パートナー選定:5つのチェックポイント

BtoBブランディングを社内だけで進めるのは、ノウハウやリソースの面で難しいケースも多いのが実情です。外部パートナーを活用する場合は、以下の5つのポイントを確認しましょう。

チェック1:戦略から実行まで一貫して支援できるか

ブランディングは、戦略策定・クリエイティブ制作・情報発信・効果測定まで、複数のフェーズにまたがります。各フェーズで別々の会社に依頼すると、コミュニケーションコストが増え、ブランドの一貫性が損なわれるリスクがあります。

戦略から実行までワンストップで対応できるパートナーを選ぶことで、スピードと一貫性の両方を確保できます。

チェック2:BtoB領域での実績があるか

BtoCブランディングの実績が豊富でも、BtoB特有の購買プロセスや意思決定構造を理解していなければ、効果的な施策は打てません。BtoB企業への支援実績が具体的にあるかどうかを確認しましょう。

チェック3:定量的な効果測定の仕組みがあるか

「ブランド価値が向上しました」という抽象的な報告ではなく、KPIに基づいた定量的なレポートを提供してくれるかどうかは重要な判断基準です。

チェック4:内製化支援の視点があるか

外部に丸投げし続けるのではなく、最終的には自社でブランディングを推進できる体制を作ることが理想です。ノウハウの移転や社内担当者の育成まで視野に入れているパートナーを選びましょう。

チェック5:経営層との直接対話ができるか

ブランディングは経営戦略と密接に関わるため、担当者レベルだけでなく、経営層と直接対話できるパートナーが望ましいです。トップの意思を正確に汲み取り、施策に反映できる体制があるかどうかを確認しましょう。

株式会社Epaceは、上場企業・大手コンサルファーム出身のプロフェッショナルが在籍し、事業コンサルティングからマーケティング支援、クリエイティブ制作までワンストップで対応しています。リクルート・楽天グループ・明治・NEC・東急など大手企業との豊富な取引実績があり、BtoB領域でのブランディング支援にも対応可能です。

さらに、Epaceでは内製化支援にも力を入れており、外注依存から脱却して自社でマーケティングを推進できる体制づくりをサポートしています。オーダーメイド型のプランで、企業ごとの課題に合わせた最適な施策を提案します。

関連記事:ブランディング会社おすすめの選び方と費用相場|2026年最新

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まとめ

この記事では、BtoBブランディングについて、定義・背景・種類・効果・進め方・成功事例・注意点・パートナー選びまで、実務で必要な知識を一通りお伝えしました。

この記事のポイントを整理します。

  • BtoBブランディングとは、複数のステークホルダーに対して自社への「期待感情」を形成する取り組みです
  • コモディティ化・人材獲得競争・購買プロセスのデジタル化という3つの背景から、BtoB企業にとってブランディングの重要性は年々高まっています
  • BtoBブランディングには、アウター・インナー・採用・IRの4種類があり、自社の課題に合わせて優先順位を決めることが大切です
  • 価格競争からの脱却や採用力の強化など、9つの効果が期待できます
  • 目的設定・ペルソナ設定・コンセプト策定・チャネル選定・社内浸透・効果測定の6ステップで進められます
  • ROI測定には、認知度・信頼性・事業成果の3軸でKPIを設定することが有効です
  • 効果が出るまでに6か月〜1年以上かかるため、経営層のコミットメントと長期的な視点が不可欠です

BtoBブランディングは、すぐに目に見える成果が出るものではありません。しかし、正しい戦略と実行体制のもとで継続すれば、価格で選ばれるのではなく「企業として選ばれる」状態を実現できます。まずは自社の現状を整理するところから、第一歩を踏み出してみてください。

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