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商品やサービスを購入するときに、SNSや口コミサイトなどで個人が発信した投稿(UCG)を参考にする人が増加しています。
そのため、UCGを利用したマーケティングの注目度は年々高まっており、多くの事業所が「いかにUGCを増やすか」に注力しています。
しかしながら、UGCを意図的に増やすことは容易ではなく、「どうやって増やせばいいの?」と悩んでいる方は多いと思います。
そこで本記事では、UGCの仕組みやUGCの生成を促す施策、UGCを企業のマーケティング活動に取り入れるメリットなどについて解説します。
目次
UGCとは「User Generated Content」の略称で、企業ではない一般のユーザーによって作られた口コミや投稿などのコンテンツを指します。
具体的には、
などが例として挙げられます。
UGCには、実際にその商品に触れたユーザーのリアルな声が反映されているため、ユーザー目線のリアルな情報を得る際に役立ちます。
CGMとは「Consumer Generated Media」の略称で、ユーザーが作ったコンテンツを発信するためのメディアを指します。
具体的には以下のようなものです。
UGCが活用されるようになった背景には、CGMの急速な普及があると言われています。
IGCとは「Influencer Generated Content」の略称で、インフルエンサーによって作成されたコンテンツを指します。
UGCとIGCの違いは、コンテンツの作り手が一般のユーザーかインフルエンサーかという点です。
UGC | IGC | |
投稿者 | 一般のユーザー | インフルエンサー |
製品やサービス | 自分で購入 | 企業が提供 |
コンテンツの作成 | ユーザーが自発的に作成 | 企業がお金を出して投稿を依頼 |
続いては、UGCがマーケティングで重要視されるようになってきた理由を3つ紹介します。
UGCが重要視されるようになってきた理由の1つ目は、商品/サービスの購入の決め手となり得る情報だからです。
多くの消費者は、商品/サービスを購入する際に、商品の品質や使用感について信頼できる情報を得たいと考えています。
そして、企業が発信する公式の広告や説明よりも、実際のユーザーが投稿する口コミや評価の方が信憑性が高く感じられるため、多くの消費者は購入の際にUGCを参考にしています。
また、UGCをチェックすることで、消費者は自身と似た状況やニーズを持つ他のユーザーの意見から、自分に最適な商品やサービスを選ぶことができます。
このように、UGCは消費者の購買行動に大きな影響を与えるため、企業はUGCを重視し、その活用を促進しているのです。
UGCが重要視されるようになってきた理由の2つ目は、あからさまな広告への嫌悪感が高まっているからです。
現代の消費者は企業の広告や宣伝に対して非常に敏感であり、過度なプロモーションや誇大広告に対して否定的な反応を示すことが多くなっています。
そのため、従来の広告手法は宣伝効果が薄れてきています。
このような背景から、消費者はより信頼性の高い情報源を求めるようになり、企業が手を加えられないユーザーの生の声である、UGCに注目するようになってきたのです。
UGCが重要視されるようになってきた理由の3つ目は、SNSの影響力が年々高まっているからです。
SNSは多くのUGCが生み出される場であり、その拡散性の高さが大きな特徴です。
ユーザーは自身の体験や意見をSNS上で簡単にシェアでき、その情報は短時間で広範囲に広がります。
例えば、ビジュアルコンテンツが多いInstagramやXでは、視覚的に魅力的なUGCは高い拡散力を持つため、他のユーザーに大きな影響を与えられます。
そして、SNSの普及とともにSNSの影響力も高まってきており、それに比例してUGCの価値も高まってきているのです。
ここまでUGCの紹介や、重要視されている理由を解説してきました。続いてはUGCを企業のマーケティング活動に取り入れるメリットを3つお伝えします。
UGCを企業のマーケティング活動に取り入れるメリットの1つ目は、宣伝コストを削減できることです。
UGCはユーザーが自発的に作成・共有するため、企業側で高額な広告制作費やメディア費用を負担する必要がありません。
そして、消費者からのリアルな体験談やレビューであるUGCは高い信頼性を持ち、他の消費者に対する影響力も十分にあります。
そのため、UGCを活用することで、結果的に低コストで高い広告効果を得ることが可能となるのです。
UGCを企業のマーケティング活動に取り入れるメリットの2つ目は、ブランドロイヤリティの向上に繋がることです。
UGCは消費者に信頼感と親近感を与えるため、消費者はUGCの多いブランドに対してポジティブな感情を持ちやすくなり、ブランドへの忠誠心が高まります。
また、消費者が自身のコンテンツが認められ、共有されることで、ブランドとの繋がりを感じ、より深い関係を築くことができます。
UGCを企業のマーケティング活動に取り入れるメリットの3つ目は、商品開発に役立つことです。
UGCは実際のユーザーが商品を使用する中で感じた意見やフィードバックが反映されているため、消費者のニーズやトレンドを直接把握することが可能です。
これにより、企業はユーザーのリアルな声を基に製品の改善点や新商品のアイデアを得ることができ、より消費者の期待に応える商品を開発する手助けとなるのです。
ここではUGCを生み出す具体的な施策について、代表的なものを3つ解説します。
UGCの生成を促す施策の1つ目は、SNSでのハッシュタグキャンペーンです。
ハッシュタグキャンペーンは、企業やブランドがSNS上で特定のハッシュタグを設定し、そのハッシュタグを使ってユーザーに投稿を促すプロモーション活動の一つです。
独自のハッシュタグを使ったキャンペーンを行うことで、ユーザーにとっては検索が容易になり、企業にとってはハッシュタグの投稿を目にしてもらう機会が増加します。
さらに、ハッシュタグを使ったユーザーの投稿を自社の公式アカウントで紹介すれば、企業やブランドをより身近に感じてもらえるでしょう。
ハッシュタグキャンペーンは、「タグる」という言葉が一般化するほど気軽なものであり、企業にもユーザーにも良い効果をもたらします。
UGCの生成を促す施策の2つ目は、インフルエンサーマーケティングです。
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサー(影響力を持つSNSユーザーやブロガーなど)にフォロワーやファンに向けて自社の製品やサービスの魅力を発信してもらう手法です。
インフルエンサーは、特定の分野で多くのフォロワーを持ち、その発信内容が高い信頼性を持っています。
そのため、彼らが商品やサービスを紹介することで、そのフォロワーたちも興味を持ち、実際に購入したり使用したりする可能性が高まります。
こういったインフルエンサーの紹介をきっかけに、フォロワー自身がその商品を購入し、自分のSNSアカウントでレビューや使用感を投稿することで、UGCが生まれ、自然と商品の評判が広まっていくのです。
UGCの生成を促す施策の3つ目は、既存顧客とのコミュニケーションです。
既存顧客との親密なコミュニケーションが、UGCを生み出す施策の1つです。
具体的な取り組みには、商品やサービスの購入時に感想やレビューをお願いしたり、SNSの投稿をおすすめするなどの丁寧なやり取りなどが挙げられます。
またSNSの公式アカウントでUGCを紹介したり、コメントを返したりと、日頃から丁寧なコミュニケーションをはかることが、既存顧客のUGC生成をうながします。
既存顧客との親密なやり取りが親近感を与え、根強いファンの獲得に繋がり、さらにUGCを作りたくなる気持ちを後押しするでしょう。
続いては、UGC施策を実施する手順を3段階に分けて解説します。
UGC施策を成功させる手順の1つ目は、シェアしたくなる体験/企画を設計することです。
ユーザーが共感や楽しさを感じ、他人と共有したくなるような要素を取り入れることで、自然な形でのUGC生成が実現できます。
例えば、魅力的なイベントやキャンペーンを企画し、参加者にユニークで価値ある体験を提供することは、UGC生成に繋がりやすい施策の一つです。
そして、UGCの活用目的に応じて最適なUGCの種類は異なります。
商品の「認知」を向上させたい場合と、既に認知されている商品の「理解を促進」させたい場合では、必要とされるUGCは異なります。
そのため、自社の課題に合った最適なUGCを生成するために、体験や企画を設計することが重要です。
UGC施策を成功させる手順の2つ目は、UGCを収集することです。
企画によって生成したUGCを集めなければ、目的を達成することはできません。
そして、UGCを収集する際には、ハッシュタグを用いることでオペレーションの工数も削減できます。
例えば、「#〇〇 をつけて投稿した人に~をプレゼント」といったキャンペーンは定番です。
また、設計段階では予想していなかった角度からのUGCが生まれている場合もあるため、消費者の生の声を知るうえでも、UGCの収集は欠かせません。
UGC施策を成功させる手順の3つ目は、商品/サービス/広告の改善に活かすことです。
UGCを生成して収集したら、そのUGCに含まれている消費者の生の声を分析し、商品・サービスの改善に活用します。
その際、特定のUGCの意見を取り入れるのではなく、一定数の意見が着ているUGCを参考にすることが重要です。
続いては、UCG施策を取り入れる際に理解しておくべき法規を3つ紹介します。
私たちは絵や文章、音楽などを通して、自分の思想や感じたことを表現したものに著作権を持っています。
これはネット上においても同様で、個人が投稿したUGCも著作権法の対象です。
そのため、自社の商品やサービスに関するUGCであっても、企業が無断で使用することはできず、UGCを自社のLPやサイトに掲載する際には、あらかじめユーザーに許可をもらう必要があるのです。
ただし、これは生成されたUGCを企業が発信などに利用する場合などの話であり、UGCを参考にして商品やサービスの改善に活かす程度であれば、ユーザーの許可は不要です。
また、UGCそのものが著作権を侵害している場合もある(他の著作物を無断転載しているなど)ため、企業がUGCを取り扱う際には、必ず著作権のチェックをするべきです。
薬機法とは、医薬品などの品質や安全の保持向上を目的として厚生労働省が定めた法律で、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。
薬機法では、販売や広告の中で使ってはいけない表現について言及されています。
具体的には、医薬品ではないものに対して「効いた」「治った」といった効果効能を示した表現は禁止されています。
これはUGCに対しても同様で、薬機法に抵触するNG表現が含まれていると、処分の対象になってしまうため、注意が必要です。
景品表示法(景表法)とは、商品やサービスに対する消費者の誤解を防ぐ目的で、景品や広告表示に関する規制を設けた法律で、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。
そして、この景表法を破る行為の一種が「ステルスマーケティング(ステマ)」です。
ステマとは、企業が自社のサービスや商品の宣伝時に広告であることを隠して宣伝する行為です。
例えば、インフルエンサーに金銭を支払ってPRを依頼する場合には、投稿に「広告」や「PR」などの表示を明記しなければステマと見なされ、景表法違反となります。
これまでUGCについて解説してきました。ここからは企業による具体的なUGC施策の成功事例について紹介します。
キリンビールは、ユーザーがInstagramに投稿した画像を積極的に自社の投稿に活用し、画像使用許可をもらうためのコミュニケーションを通じて、ユーザーとの交流をはかっています。
その結果、自社の投稿の素材やトピックを探す手間が省け、UGCを活用する前と比べて投稿数が月に3〜4本から6〜7本と倍増しました。
またユーザーからのエンゲージメント率も135%と高い値を示し、毎回の投稿にもコメントが多く寄せられ、良い循環が生まれています。
自社製品を使った動画コンテンツをユーザーから募り、優れたものを自社サイトやYouTube、Instagramでシェアしています。これによってファンとの交流をはかり、質の高い動画によるUGCを集めることが可能になりました。
またGO PROのハッシュタグを使ったユーザーによる投稿が増加しているため、広告を使わなくても、UGCによる自然な認知が広がっています。
丸亀製麺がX(旧Twitter)上で行った施策は以下のものがあげられます。
この結果、キャンペーン中の投稿が4万件を超えたり、トレンドの1位を何度も獲得したりとUGCを活用して話題を集めました。
また特定のメニューに関するUGCを活用したキャンペーンでは、初速の売り上げが1.9倍になるなど、ユーザーを巻き込んだプロモーションが成果を上げています。
これまで寄せられたレビューやSNSの投稿などを自社サイトに多く掲載したところ、サイトを訪問した人が実際に商品を購入する割合が、これまでの1.3倍に増加しました。
LPに掲載するUGCは、ターゲットに合わせた具体的な使用感などがリアルに書かれたものを選び、星だけの評価で良し悪しを決めていません。
これによって既存顧客との濃い接点が増えるだけではなく、新規顧客の獲得にも繋がり、企業とユーザーの良い関係を生み出しています。
出典:ベースフード
自社サイトのトップページやLPの中に、ユーザーからのInstagram投稿を掲載してUGCを活用しています。掲載するUGCは、見栄えの良い画像だけではなく、暮らしの中で実際に商品を利用した場面が伝わるリアルなものを厳選しているそうです。
特にLPにUGCを掲載するようになってから、サイトを訪問した人が実際に商品を購入した割合が1.24倍増加しました
またUGCを活用することで、キャンペーンにかけた費用に対する自社の利益が380%アップという驚異的な数値を算出しています。
吉野家のInstagram公式アカウントでは、投稿の素材としてUGCを活用しています。
具体的な取り組みとしては、「#おうち吉野家」のハッシュタグに投稿されたものの中から、見た人が試してみたくなるようなアレンジレシピの紹介です。
店舗だけではなく、家でも吉野家を楽しめる新しい方法を紹介し、家族を巻き込んだファンの獲得が可能になりました。
また「おうち吉野家アンバサダー」の認定やユーザーと共同によるレシピ開発など、商品を身近に感じてもらうための企画を充実させ、売り上げを伸ばしています。
他では見られない期間限定のユニークなキャンペーンを行うことで、UGCの生成を促し、実際の予約に繋がったりリピーターが増加したりなどの成果を上げています。
具体的な施策例は以下の通りです。
またフォロワーが1,000〜数万人のマイクロインフルエンサーのUGCを活用し、タイアップ投稿では多くの口コミを獲得しています。
シャトレーゼは、企業への濃いフォロワーを増やす工夫をしています。
具体的な施策は以下の通りです。
特に一般ユーザーの投稿をリツイートし続けることで、目的に沿った質の高いUGCが集まり、濃いファンと新規顧客の獲得に繋がっています。
出典:ニトリ
自社サイトの口コミページ「みんなのインテリアコーディネート」の中で、Instagramの「#ニトリ」「#mynitori」のハッシュタグがついた一般ユーザーからの投稿を掲載しています。
またX(旧Twitter)やInstagramでは、自社商品に関連した投稿を公式アカウントがリツイートすることで、ユーザーとの円滑なコミュニケーションが可能となりました。
さらに個人のインテリアが多数されている「RoomClip」では、ユーザーを巻き込んだキャンペーンや企画を行い、多くの参加者から質の高いUGCを集めています。
エチュードはアモーレパシフィック株式会社が運営しています。
公式サイトの商品販売ページに掲載されているのは、購入者から寄せられたUGCによる、実際に使ったユーザー目線のリアルな感想です。
オンラインショップのデメリットは商品を実際に試せないことですが、口コミが集まることで購入せずとも使用感が分かり、売り上げアップに繋がりました。
ランキング形式のレビューページには、投稿された画像が豊富に掲載されていて、各レビューから個々の商品の詳細を見ることもできます。口コミを読むだけで終わらせず、売上アップに繋げる工夫が随所に見られるのも特徴の1つです。
今回は、UGCについて解説しました。
UGCの活用に興味がある方は、ぜひ本記事を参考にして、UGCを活用したマーケティングを実施してみてください。
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