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日本国内では様々なSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が利用されており、2021年に総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査」によると、日本国民のSNS利用率は70%を越えています。特に20代では9割以上が使用し、また、60代、70代でも約半数が利用している状況です。SNSは人々の日常生活には欠かせないものとなっています。
令和2年(2020)SNS利用率(年代別・男女)
参照:令和2年通信利用動向調査
消費者の行動も、従来のテレビや雑誌、インターネット検索での情報収集から、SNSによって多くの情報を得る方へと移り変わっています。
そのため、企業もSNSアカウントで積極的に発信することで、幅広い層の消費者に商品・サービスをアプローチすることが可能となっており、基本的には無料で投稿できるSNSを利用した集客に成功すると大きな集客効果を得られます。
今回は、SNS集客のメリット・デメリットから、主要6種類のSNS(Facebook、Instagram、Twitter、LINE、Youtube、TikTok)の動向・成功事例までを詳しく見ていきます。
企業がSNSアカウントを集客に活用するメリットは、大きく分けて4つあります。
20代の9割以上が、何らかのSNSを利用している昨今、SNSを活用した集客では若年層への高いリーチ力や訴求力を得ることができます。
20代以下の若年層は、店舗や商品、サービスの口コミについて、InstagramやTwitter、YouTubeなどで調べることが当たり前となっています。
また、若年層は、「モノ消費」ではなく「コト消費」という価値観を重視した消費行動を取ります。つまり、単なるモノやサービスを購入するのではなく、経験や体験に重きをおいています。
例えば、若年層は、応援しているYouTuberやインスタグラマーなどがオススメした商品や販売したグッズを購入して応援する「コト」や、好きなブランドやインフルエンサーの店舗イベントに参加し触れ合う「コト」に価値を見出します。
企業としても、SNSを利用した集客を行うことで、若年層への高いリーチ力・訴求力が望めることになります。もちろん各年代にあったインフルエンサーを起用することで、若年層に限らず、幅広い層へ訴求力を高めることも可能となります。
SNSを集客に活用するメリットとして、情報拡散力の高さもあげられます。
例えば、Twitterではリツイートボタン1つで、各々のユーザーのフォロワーに情報が広まります。1つの投稿が10万人以上の目に届くこともざらにあります。
人々の興味を惹くこと、有益な情報であることが前提とはなりますが、SNSでの情報発信は、テレビCMやWEB広告と比べるとコストを抑えて、広く伝えることが可能になります。
SNS普及前は、テレビや新聞、雑誌などにコストをかけて広告出稿するのが商品やサービスを広める主な手法でした。
しかし、企業のSNSがフォロワーを多く抱えていれば、無料の投稿でも、より広く商品やサービスを伝えることができます。
多数のフォロワーを獲得していればいるほど、SNSアカウントの影響力は増していき、より認知を拡大させることができます。
SNSでは投稿はフォロワーだけでなく、その外側にも広がっていきます。つまり、今までアプローチできていなかった層へ、商品やサービスの認知を獲得することができます。また、認知だけではなく、商品サイトのURLとともに拡散されれば、販売の入り口としての役割も兼ね備えることができます。
テレビCMや雑誌のように認知を獲得するだけの働きではなく、SNSでは認知+販売の入り口という2つの役割を持った働きをすることが可能となります。
企業のSNSアカウントは、多くの人の目に触れることで大きなメリットを得られます。そのため、趣向を凝らし、拡散を狙った投稿をしていくわけですが、ここで注意したいのが「炎上」です。
SNSの特性上、1つの投稿が幅広く拡散されますが、良い意味だけでなく非難の意味合いで拡散されることもあります。これが「炎上」です。
SNSでは、軽いネタのような気持ちで投稿した内容が、人々を不快にさせるものであったり、マイナスのイメージで捉えられてしまったりすることで、一気に炎上する危険性もあります。
賛否両論がわかれるテーマや人によって考えや意見が異なりやすい話題など、注意すべき点を理解しておき、SNSは運用していきましょう。
ここからは、集客にオススメな主要6種類のSNS(Facebook、Instagram、Twitter、LINE、Youtube、TikTok)の動向を見ていきましょう。
参照:https://ja-jp.facebook.com/
SNSの中では珍しく、Facebookは基本的に実名かつ顔写真を登録して利用されています。30~40代の男性利用率が高く、ビジネス層の利用が多くなっています。
Messengerを使用することで顧客とのチャットツールとしても活用することができます。
企業のプレスリリース情報や取り組みの発信など公式性の高い情報が発信される傾向にあります。
参照:https://www.instagram.com/?hl=ja
日本国内の月間アクティブInstagramアカウントは3,000万件を超えているとされており、世界での総ダウンロード数もTikTokを抑えて1位となっています。日本国内では、10代、20代の約7割がInstagramを利用しています。
投稿画像からECサイトのリンクに遷移できる「ショッピング機能」が多く活用されています。また、近隣の人気スポットを地図検索できる機能も導入されています。
Instagramの検索機能は、従来、ハッシュタグ、ユーザー名、位置情報のみが対象でしたがアップデートによりキーワード検索が適応されました。複数単語での検索もでき、Googleなどの検索エンジンの画像検索に近いことができるユーザーが検索しやすいプラットフォームとなっています。
画像引用:https://twitter.com/
Twtterは、日本国内では10代の約8割、20代の約7割、30代の約5割、40代の約4割と幅広い年齢層が使用しているSNSで、国内では4,500万人以上が利用していると言われています。
2021年10-12月期の決算では、Twitterのユーザー数が前年比で25%以上増えていることも発表されています。そもそものユーザー数が多いことに加えて、140文字上限の中で手軽にタイムリーな投稿ができ、RT(リツイート)機能によりツイートが拡散され不特定多数の人へ情報を拡散することができます。
画像引用:https://line.me/ja/
日本国内では、10代~50代までは約9割が利用しており、国内の月間アクティブユーザーは約9,000万人と、インフラとして定着しています。
企業のLINE公式アカウントは、ユーザーに直接メッセージを送れることが強みとなっています。
LINEは、顧客に便利な体験を提供し、継続的な関係性を構築していくCRM(Customer Relationship Management)マーケティングに活用できます。LINE公式アカウントでのコミュニケーション施策は、企業から一方通行のものだけではなく、LINE上でカスタマーサポートへの問い合わせやサービスの予約など、ユーザーにとって便利な顧客体験を提供することができます。
出典:トヨタ自動車株式会社 YouTubeページ
https://www.youtube.com/user/toyotajpchannel/featured
世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeは、日本国内でも市場規模が年々増加しています。現在よりも通信速度の速い5Gの時代になることで、ますます発展していくとも言われています。
チャンネルを運営し、話題になる動画をアップロードすることができれば、企業へのファンづくりにも繋がります。また、ユーザーが検索した語句に関連したおすすめ動画が表示される仕組みが活発に使われており、タイトルや内容を工夫することで投稿した動画が継続的に視聴され続け、単発ではなく中長期的な資産として活用することができます。
また、自ら運営しない場合でも人気YouTuberにPR案件を依頼することや、YouTube広告を利用して集客に役立てることも可能です。
15秒~60秒の短尺動画を中心に投稿されるTikTokは、日本国内2018年末時点で950万人が利用しており、現時点ではさらに増加傾向にあると見られています。海外でも利用者数は10億人を超えています。2021年7月からは最大3分までの動画公開が可能になりました
TikTokは、過去に見た動画から最適化された動画アルゴリズムの正確性により、自身の嗜好性にあった動画が表示されます。
2021年には「TikTok売れ」という言葉が話題になるほど、TikTok上のショートムービーがきっかけとなった購買が注目されました。企画参加型コンテンツによりユーザー同士での盛り上がりを作れることもあり、購買行動に直結しやすいプラットフォームとなっています。
ここからはそれぞれのSNSにおける成功事例、コツを紹介します。
Facebookでの成功事例は、料理レシピ動画メディアの「DELISH KITCHEN」( https://www.facebook.com/DelishKitchen.tv/ )です。Facebookで、かんたんに作れるレシピ動画を公開しており、フォロワー数は150万人を超えています。特に動画はSNSで反響を呼びやすいため、DELISH KITCHENのレシピ動画投稿も毎回多くのシェアを獲得しています。
出典:DELISH KITCHEN facebookページ
https://www.facebook.com/DelishKitchen.tv
Facebookでの集客のコツは、 宣伝投稿ばかりをしないなど、ユーザーに価値ある投稿を続けることです。また、いいねやコメントなどでユーザーとコミュニケーションをとることも重要になってきます。
Instagramでの集客成功事例は、牛丼チェーン店の「松屋」( https://www.instagram.com/matsuya_foods/ )です。公式とは思えないほどの見せ方をしており、おしゃれでカッコいいハイセンスな写真をよく見ると、松屋のロゴや牛丼が写っています。見た目のギャップもあり、ユーザーから高評価を受けています。
参照:松屋フーズ Instagramページ
https://www.instagram.com/matsuya_foods
Instagramでの集客のコツは、ビジネスアカウントを運用し、企業の情報や問い合わせ先を記載することや、ショッピング機能を利用してECサイトで流入さえる導線を作ること、ショートムービー機能の「リール」を用いて認知を拡大することなどがあげられます。
Twitterの成功事例は大手コンビニエンスストアチェーンのローソン( https://twitter.com/akiko_lawson )の企業アカウントです。「あきこ」という女性キャラクターを前面に立たせ、商品の紹介や値引き券の当たるキャンペーンなどを積極展開しており、フォロワーはすでに650万人を超える巨大アカウントとなっています。
参照:ローソン Twitterページ
Twitterでの集客のコツは、日頃からユーザーと双方向でのコミュニケーションを取り、ファン化を進めていくことや、キャンペーンを活用することで認知を拡大していくことなどがあげられます。
LINEでの成功事例は、ナチュラルコスメブランド「VINTORTE(ヴァントルテ)」のアカウントです。LINEアカウント経由での月間売上が13%を超え、2年で17,000人もの友だち獲得に成功しています。
参照:LINE for Business
https://www.linebiz.com/jp/case-study/vintorte
LINE公式アカウントでの集客のコツは、キャンペーンなどのお得情報やクーポンを定期的に発信することです。友だち追加したユーザーに直接アプローチできるため、高い集客効果が期待できます。また、「リッチメッセージ」という機能では、画像つきでメッセージを送信できるため、より効果的な訴求が可能となります。
YouTubeでの成功事例は、ECメディア「北欧、暮らしの道具店」(https://www.youtube.com/user/infohokuohkurashi/videos )のチャンネルです。登録者数は49万人と人気チャンネルとなっています。短編ドラマやドキュメンタリー、Vlogなどを公開し、ECメディアの拡大に繋げています。
参照:北欧、暮らしの道具店 YouTubeページ
https://www.youtube.com/user/infohokuohkurashi/videos
YouTubeチャンネルでの集客のコツは、目的をしっかりと決めたうえでYouTubeの文脈に沿った企画を定期的に行い、その企業チャンネルのファンを獲得していくことです。YouTubeでの訴求から商品購入への導線をしっかりと構築していくことも大切です。
TikTokでの成功事例は、格安SIMを提供している「ワイモバイル」の「#と思いきやダンス」のキャンペーンです。TikTokでの動画投稿をした人の中から1名がテレビCMに出演できる権利が得られるというキャンペーンで、総視聴回数が1億回を超えるほど話題となりました。
参照:JR東もワイモバイルも TikTok活用で成功するポイント
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00117/00004
TikTokアカウントでの集客のコツは、年齢層に合わせたコンテンツを提供し、視聴者が参加しやすい参加型コンテンツを発信していくことです。1アカウントとしての発信から、視聴者の参加によって話題が広がり、高い集客効果が得られます。
今回は企業のSNSアカウントの集客活用について、主要6種類のSNS(Facebook、Instagram、Twitter、LINE、Youtube、TikTok)の動向や成功事例、コツを紹介しました。
SNSを活用した集客は今後もトレンドとなっていくことが予想されています。SNSを活用することで高い効果を得ている企業も増えてきています。自社サービスや商品を成功に導くべく、SNSマーケティングを上手く活用することを検討してみてはいかがでしょうか。
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