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DX内製化の進め方|メリット・課題・必要な人材・成功のための重要ポイントを解説

DX内製化とは、外部に任せ続けるのではなく、自社でDXを推進できる体制を構築することです。変化への対応スピードを高め、外注コストの抑制や社内ノウハウの蓄積につながります。

ただし、単に外注をやめればよいわけではありません。人材の採用・育成や組織体制の整備が必要なため、自社で担う領域を見極めながら段階的に進めることが重要です。

この記事では、DX内製化のメリット・課題から具体的な進め方、必要な人材、外注との使い分けまで解説します。はじめて内製化を検討する企業の方も、ぜひ参考にしてください。

確認したいポイント結論詳細
DX内製化とは?DX推進を自社の力で回せるようにすること外注依存から脱し、戦略立案から運用・改善までを社内で担える体制を築く。
内製化のメリットは?スピード・コスト・ノウハウ蓄積意思決定が速くなり、長期的なコスト削減と組織力の強化が期待できる。
課題やデメリットは?人材確保・育成コスト・初期負荷専門人材の採用や育成に時間とコストがかかり、すぐには効果が出にくい。
どう進めればよい?段階的に外注から移行するのが現実的まず外注と協業しながら学び、領域を絞って少しずつ内製に移行する。
必要な人材と育成方法は?デジタル人材の採用とリスキリング既存社員の再教育と外部採用を組み合わせ、社内に知見を蓄積する。
外注と内製の使い分けは?強みに集中し、不足分は外注で補うすべてを内製にする必要はなく、コア業務を自社で、専門領域は外注が合理的。
マーケティングDXの内製化は?広告・SNS・SEOは内製化しやすい領域成果が数値で見えやすく、段階的な内製化の起点として適している。
まず何から始める?小さく始めて、学びながら広げる一つの領域から着手し、成功体験をもとに内製化の範囲を広げていく。

この記事でわかること

  • DX内製化の意味と外注との違い
  • 内製化によるメリットと課題
  • 段階的な進め方と成功のポイント
  • 必要な人材像と育成方法
  • 外注と内製の最適な使い分け方

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DX内製化とは?外注との違い

DX内製化とは、外部の支援会社やベンダーに委託していたDX関連業務を、自社の人材や組織で推進できる体制へ移行することです。

単に「外注をやめる」のではなく、DX戦略の立案やデータ活用、ツール運用、業務改善などについて、自社で考え、判断し、実行できる力を蓄積することが目的です。

DX内製化の特徴

内製化では、自社の事業や顧客を理解している社員が主体となってDXを推進します。社内にノウハウを蓄積できるため、市場や顧客ニーズの変化にも対応しやすくなる点がメリットです。

一方、人材の採用・育成や体制構築には時間とコストがかかるため、すべてのDX業務を内製化することが必ずしも最適とは限りません。

DX内製化と外注の違い

外注は専門的なノウハウや人材を短期間で活用しやすい一方、継続的な費用が発生し、知識や経験が社内に蓄積されにくい場合があります。

内製化は体制構築に時間がかかりますが、ノウハウを社内に蓄積し、自社で施策を改善・実行できるようになることが特徴です。

完全内製化ではなく段階的な移行も選択肢

DX内製化では、最初からすべての業務を社内で担う必要はありません。戦略設計や専門性の高い領域では外部パートナーを活用しながら、日常的な運用や改善などから徐々に社内へ移管する方法もあります。

「内製か外注か」の二択ではなく、自社の人材・ノウハウ・予算を踏まえ、どこまで内製化するかを決めることが重要です。

DX内製化のメリット

DX内製化には、施策のスピード向上やノウハウ蓄積などのメリットがあります。ただし、すべての企業で内製化が最適とは限らないため、コストや人材面を含めて判断することが重要です。

意思決定と実行をスピードアップしやすい

社内に必要な人材や権限があれば、外部への発注・調整工程を減らし、施策の実行や改善を迅速に進めやすくなります。ただし、社内の承認フローや人員体制によって効果は異なります。

ノウハウを社内に蓄積しやすい

施策の実行・検証を社内で行うことで、成功・失敗のデータや知見を蓄積できます。一方、外注でも適切な情報共有や契約、引き継ぎ体制を整えれば、ノウハウを社内に残すことは可能です。

中長期的なコストを最適化できる可能性がある

継続的な業務では、内製化によって外注費を抑えられる場合があります。ただし、採用費・人件費・教育費・管理工数・ツール費・品質管理費なども発生するため、外注費だけで比較しないことが重要です。

内製化判定の試算例

たとえば、2〜3年間の総コストを以下のように比較します。

内製化コスト外注コスト
採用費委託費
人件費初期費用
教育・研修費追加作業費
管理・品質管理工数社内管理工数
ツール費ツール・システム費

「3年間の内製化総コスト」と「3年間の外注総コスト」を算出し、対応スピードや品質、ノウハウ蓄積といった定性的な効果も含めて判断しましょう。

なお、人材が業務を自立して担当できるまでの期間は、本人の経験や対象業務、求めるスキルによって異なります。固定的な育成期間を設けるのではなく、スキル習得状況を確認しながら段階的に移管することが重要です。

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DX内製化の課題とデメリット

メリットが大きい一方で、内製化にはいくつかの課題もあります。事前に理解しておくことで、対策を打ちやすくなります

デジタル人材の採用・確保が難しい

DXを推進できる人材は市場全体で不足しており、採用競争は年々激化しています。求めるスキルセットを明確にし、中途採用と既存社員の再教育を組み合わせて対応するのが現実的です。

採用だけに頼ると時間とコストがかかりすぎるため、「採用」と「育成」の両輪で取り組む視点を持つことが重要です。既存社員の育成は、業務知識と顧客理解をすでに持っている点で大きなアドバンテージがあり、デジタルスキルを上乗せすることで即戦力として活躍できる人材を効率よく確保できます。

育成に時間とコストがかかる

社員をDX人材として育成するには、研修や実務経験を通じた学びが必要で、成果が出るまでに半年から一年以上かかることもあります。育成期間中は生産性が下がるように見えるかもしれませんが、この期間は将来への投資です。焦らず、しかし計画的に一歩ずつ進める姿勢が求められます。

育成の効果が表れるまでの期間は「投資のリターンがまだ出ていない期間」であり、この間に止めてしまうのはもったいないことです。経営層と育成期間の目安を事前に共有しておくと、継続的な取り組みを維持しやすくなります。人材育成は短期的にはコストに見えますが、中長期で見れば最も確実なコスト削減策であり、競争力の源泉です。

すべてを一度に内製化しようとすると混乱する

いきなり外注をすべて止めて内製に切り替えると、品質の低下や業務の滞りを招くリスクがあります。段階的に移行し、内製で安定して回せることを確認してから次の領域に広げていくのが安全な進め方です。

一つの領域が安定してから次に進むことで、組織全体が「変化に対応できた」という自信を持てるようになり、次の内製化にもスムーズに踏み出せます。「変われた」という実感が、組織に前向きな変革の文化を根づかせるきっかけになります。

DX内製化の進め方|7つのステップ

DX内製化は、外注業務を単純に社内へ移すのではなく、必要なスキルや体制を整えながら段階的に自走へ移行することが重要です。

ステップ1|現状業務を棚卸しする

まず、現在のDX関連業務について「誰が・何を・どのツールで行っているか」を整理します。外注範囲や費用、社内工数、課題も可視化しましょう。

ステップ2|内製化する業務を選定する

事業への重要度、実施頻度、専門性、コストなどから内製化の優先順位を決めます。高度なシステム開発など、外注を継続したほうが合理的な領域もあります。

ステップ3|必要なスキルとの差分を確認する

対象業務に必要なスキルと社内人材の現状を比較し、不足している知識・経験を明確にします。研修で補うのか、採用するのか、外部支援を継続するのかを判断します。

ステップ4|担当者・予算・運用体制を整える

担当者と責任者を決め、教育費やツール費を含めた予算を確保します。あわせて、業務手順書やアカウント・権限管理のルールも整備しましょう。

ステップ5|外部パートナーと共同運用する

外部パートナーと社内担当者が共同で実務を行いながら、ノウハウを移管します。業務手順だけでなく、判断基準やトラブル対応まで共有しておくことが重要です。

ステップ6|自走できるかを判定する

外注範囲を縮小する前に、社内だけで安定して運用・改善できるかを確認します。

自走判定チェックリスト

  • 社内担当者だけで定常業務を運用できる
  • 障害や例外発生時の対応方法が決まっている
  • KPIの変動要因を分析し、改善案を立てられる
  • 業務手順書と権限設定が整備されている
  • 担当者不在時もバックアップ担当者が対応できる

基準を満たしてから、外注範囲を段階的に縮小します。

ステップ7|定着・評価・改善を続ける

内製化後もKPIや業務品質を定期的に評価し、必要に応じて研修や外部支援を活用します。完全内製にこだわらず、専門性の高い領域は外部と協業する方法も有効です。

内製化後の属人化を防ぐ仕組み

内製化によって特定の担当者へ業務が集中すると、新たな属人化を招く可能性があります。以下の仕組みを整えておきましょう。

  • 業務手順書のドキュメント化
  • 意思決定ログの保存
  • アカウント・権限管理のルール化
  • コードや施策の相互レビュー
  • バックアップ担当者の配置
  • 退職・異動時の引き継ぎプロトコルの整備

内製化で自社が負うリスクと品質管理

内製化すると、これまでベンダーが担っていた管理責任の一部も自社で担うことになります。情報セキュリティや個人情報保護、アクセス権限管理に加え、システム障害への対応や継続的な保守体制を整えることが必要です。

また、短期的な対応を繰り返すことでシステムやコードが複雑化する「技術的負債」にも注意しましょう。内製化は自社で作業できる状態だけでなく、品質と安全性を継続的に管理できる状態まで構築することが重要です。

内製化に必要な人材と育成方法

DX内製化では、一人の「万能なDX人材」を育てるのではなく、必要な役割を整理し、チームとしてスキルを補完することが重要です。IPAのデジタルスキル標準(DSS)も、DX推進人材を複数の類型・ロールに分けて整理しています。なお、最新版は2026年4月公開の「デジタルスキル標準 ver.2.0」です。(情報処理推進機構)

DX内製化で必要となる主な人材

IPAのDX推進スキル標準(DSS-P)を参考にすると、主な役割は以下のように整理できます。

人材・役割主な役割
ビジネスアーキテクトDX戦略や変革ロードマップを設計する
デザイナー顧客・ユーザー視点でサービスや体験を設計する
データサイエンティストデータを分析・活用し、業務改善や価値創出につなげる
ソフトウェアエンジニアシステムやサービスを設計・開発・運用する
サイバーセキュリティセキュリティリスクを評価し、対策・運用を行う

すべての人材を自社で確保する必要はありません。自社のDX戦略に必要な役割を特定し、不足する専門性は採用や外部パートナーで補完する方法もあります。

DX人材の育成方法

育成では、研修だけでなく実務を通じてスキルを身につける仕組みが重要です。DSSを基準に必要スキルと現状の差を確認し、「研修→共同プロジェクト→実務担当→振り返り」の流れで段階的に育成します。

必要な育成期間は、担当者の経験や対象業務、求める専門性によって異なるため、一律の期間を設定するのではなく、スキルや自走レベルを基準に評価しましょう。

RACI表で役割と責任を明確にする

内製化では「誰が決め、誰が実行するのか」を明確にすることも重要です。RACIを使うと、責任分担を整理できます。

関係者DX戦略施策実行システム・データ管理効果検証
経営責任者AIIA
事業部門CRCR
DX推進部門RRCR
情報システム部門CCR/AC
外部パートナーCR/CR/CC

R=実行責任、A=説明・最終責任、C=協議先、I=報告・共有先です。

RACIはあくまで一例です。自社の組織構造やプロジェクト内容に合わせて調整し、特定の担当者だけに知識や権限が集中しない体制をつくりましょう。

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外注と内製の最適な使い分け

DX内製化は「すべてを自社で抱え込む」ことではありません。自社の強みに集中し、不足している部分は外部の力で補うのが合理的な考え方です。

たとえば、日常的な運用や改善は社内で担い、大規模なシステム刷新や高度な専門領域は外部に依頼するという切り分けが現実的です。コア業務は内製、非コア業務は外注という原則で判断すると、限られたリソースを最大限に活かせます。

外注先を選ぶ際は、「やってくれる会社」ではなく「一緒に育ててくれる会社」を選ぶことが内製化成功の鍵です。支援が終わった後も自社で動ける体制が残るかどうかを基準にしましょう。提供範囲はサービス一覧、実績は会社案内で確認できます。

まとめ|DX内製化は段階的に、学びながら進めよう

DX内製化は、外部パートナーと協業しながらノウハウを蓄積し、対象領域を選定したうえで、段階的に自走体制へ移行することが重要です。すべてを自社で抱えるのではなく、事業のコアとなる業務は内製化し、高度な専門性が必要な領域は外部を活用するなど、適切に使い分けましょう。

マーケティング領域の内製化を進めたい場合は、Epaceにご相談ください。戦略設計からSNS・広告・SEO・Web施策まで、実務を伴走しながら社内へのノウハウ移管と自走体制の構築を支援します。

DX内製化は、社内に知見を蓄積し、変化に対応できる組織をつくるための取り組みです。自社で担う領域と外部に任せる領域を整理し、無理のない範囲から内製化を進めていきましょう。

また、Espaceはこれまで700社以上の企業を支援してきた実績をもとに、企業のDX内製化を支援しています。現状の業務や組織課題の整理から、DX戦略の策定、デジタルツール・AIの導入、業務プロセスの改善、社内人材の育成、運用体制の構築まで一貫して対応し、自社で継続的にDXを推進できる体制づくりをご提案いたします。

「DXを外部企業に任せきりにせず内製化したい」「社内にDXを推進できる人材がいない」「デジタルツールを導入しても現場に定着しない」などのお悩みがございましたら、ぜひお気軽にEspaceへご相談ください。事業内容や社内体制、DXの進捗状況に合わせて、社内にノウハウを蓄積しながら継続的にDXを推進できる組織づくりをご支援いたします。

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